第49話 護り。

 シャングリ・ラの地下回廊と秘密基地がリンケージした事。

 秘密基地が稼動始めた事を確認して僕はちるなとエインセルの亜空間転移でシャングリ・ラ地表に転移する。


 まだ滞在できる時間はある。


 滞在という事は不在時がある。


 大きな命題は整い始めたシャングリ・ラの環境と大事な仲間たちに不在の間の護りを施す必要がある。

 その為の検証を今日の最後のやるべき事に決めている。


 シャングリ・ラの護りは彼らに任せている。

 幻術士 果心居士の幻術で視覚的な隠蔽カモフラージュ。

 忍者 風魔小太郎は広域に警戒網を張り巡らせているセンサー。

 ドルイドマスター 森羅万象はこの原野の森羅万象に守りの為の罠を張り巡らせるトラップ。

 楠木正虎は森羅万象が作り出した5000体のゴーレムを警備兵として戦略的な配置を行うソルジャ。


 エンペラー星人の来訪、犬千代丸様の地下回廊掘削、秘密基地とのリンケージと事が進む中、護りについてもそれぞれに担当がやるべき事を進めている。


 ただ僕が眠りから覚めて現実界に戻っている間を盤石な護りとする為に試験が必要だと思う。


 もう直ぐ、シャングリ・ラの上空に仮想の敵が現れる手筈。


 そして現れた。


 〈フワフワ〉と巨大な鯨が上空に浮遊している。

 全長数百メーターに及ぶ巨大な飛行船ヒンデンブルグ号。

 その圧倒される外観に視覚を奪われる。

 その耳元にエーデルワイスの調べが聴こえてくる。

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