第48話 秘密基地とのリレーションは唐突に始まった。

 ちるなが駆けてくる。


 シャングリ・ラでの日中が僕の睡眠している時間。

 14時を回った位だ。

 まだまだ時間はある。

 夢から現実界に戻るのは17時にしている。


「シュウ〜繋がりました!始りました」

 冷静沈着なちるなが興奮している。

 尊きお方と呼び名も隠蔽しているのに素の呼び名を口走っている。

 ハハハハ、かなりの興奮だね。


 とうとう能力秘密基地を発動させたんだね。

 悪魔界のもう一人の僕!

 動き出したね。


 犬千代丸様の部屋の枠が増えるほど秘密基地を展開する枠数も増える。


「ちるな!彼に伝えて君は一人じゃない」

「何れ君に会いに行くから君の秘密基地の夢をどんどん大きくするんだよ」


 それでは手筈通りに正虎のゴーレムに地下回廊と地上を結ぶ入り口を閉じてもらおう。

 犬千代丸様には地底に向かって地下回廊を拡張して頂く。


 ゴーレムが地上への入り口を閉じた場所は大きな鍵穴の様な小山となる。

 現実世界ではその小山を前方後円墳型古墳と呼ぶ。


 地上のメンバーが地下回廊に行くにはエインセルの亜空間に入りその亜空間に設置された鈴之助の亜空間転移扉で地底に鎮座している円盤に転移してそこから地下回廊へと出る。

 地上からは自力では地下回廊には入れない。


 地下回廊の部屋枠に初めてリンケージした記念すべき秘密基地の部屋の呼び名は【創生の間】だった。

【創生の間】は秘密基地に欠かせないキャラクターを産み出す部屋となる。

 ざっと体育館ほどの四角い部屋で部屋中央に6メーター程の漆黒の大きなオベリスクがそそり立つ。

 秘密基地が創造する多種多様の部屋は部屋毎にその仕様は異なりその仕様を物語るのが部屋の呼び名となる。

 そしてその部屋を使う頻度が増す毎に部屋の基本機能は向上する。


 漆黒のオベリスクが唸り始める。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る