第47話 いよいよ始まる。

 下地は出来た。

 次は天の鳥船を中心に同心円状に地中に転移した円盤群が動き出す。

 転移して溢れた容積分の土砂は地上に隆起して前方後円墳となっている。

 円盤の大きさが大きい程地中深くに転移している円盤の真上に向かって高密度のエネルギー波が照射される。

 円盤の真上の土壌だけはエネルギー波の波動で柔らかい地質に変化する。

 これで犬千代丸様が力を消耗せずに地下回廊を掘り進められる。

 各円盤のクルーは制御要員以外は冷凍カプセルで生体エネルギーの消費を極小にして眠りにつく。


 エインセルの亜空間移動で天の鳥船から地表へと転移して来た。


 犬千代丸様は地質が柔らかくなった古墳の真下から地下回廊を築く作業に入った。


 森羅万象はドルイドの術で古墳群を樹木で覆って自然の造形に見せ掛ける。

 樹木に覆われたシャングリ・ラの平原は緑の樹海となった。


 劔山脈側から見ると果心居士の幻術で不毛の荒地に見える。


 シャングリ・ラを目指し辿り着く者が居たら不毛の荒野を遠望して引き返すか。

 平原まで降りて先を進むのさえ困難な緑の障壁の樹海を見て引き返すか。

 になるだろう。


 ただ、ここまで命懸けで辿り着く猛者が見た目だけで引き返すわけもなく、本物の防御陣の敷設も必要となる。

 その仕掛けも先の役割で決められた通りに遂行されている。


 犬千代丸様の地下回廊も古墳の真下にキューブ型の部屋を垂直に幾つも作り部屋間は細い通路で結んで螺旋型に地下へ地下へと延ばす構造でどんどん掘り進められる。


 キューブの中はただの空間。

 内装待ちの部屋枠がどんどん増産される。

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