第42話 機械化母性メーテル。

 開発プロジェクトで人を有機的に結びつかせる術を考えている時によく頭に浮かんだのは銀河鉄道999の機械化母性メーテルだ。

 永遠の命である機械の体を得ようと長い旅をの末に辿り着いた人々の終着駅は機械化母性を構成するネジや歯車のような機械部品になる事。

 機械化母性メーテルが瓦解するときに人の心を持つ機械部品たちは自らネジを緩ませ歯車をずらし内部崩壊させて行く。

 永遠の命を手に入れたのにその命の終わりを齎したのは人の心だった。


 単に仕事に従事する人間を機械部品化して扱うことが出来れば品質の向上も容易いだろうが相手は心のある人間。


 人だからその凹凸のある固有の能力に左右されるのは当たり前だけど、凹み側の当人ほどその不出来さに気づいていない。

 更にその直上がポンコツならば是正は無く、腐り切り周りのみかんをも腐らせる。

 人は失敗するものだと失敗したものを庇うような言い回しがあるがアレ偽善。

 その言葉を吐いた者が当人の前では見せない悍ましい姿を想像するに身の毛がよだつ。


 人には第六感のような知覚が研ぎ澄まされている人が居る。

 第六感程度のレベルなら10人に一人の割合で居そうな気がする。


 おぞましき姿を晒す者らは壁や人の層で隠蔽しようと躍起になっても10人に一人のセキュリィティーホールがポコポコ開いてて知覚されていることを知らない。


 街中をスカート履いて歩いているつもりが履き忘れてパンツ一枚だった位に恥ずかしさの極致。


 隠れて悍ましい事を吐いている姿を知っていながら付き従う者らの高潔さは清すぎる。


 だから悍ましさの悪霧を彷徨う歩く迷える本者達に安堵して活躍する場を創出して見たい。

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