第35話 約定成就の祝い
どんぐりの実は一つに成っていた。
それは金色の盃。
金杯。
「さてさて、皆も認めてごじゃる」
とオケラ様は徳利を出して金杯に注ぎちるなに勧める。
ちるなは喜び、金杯を受け「頂きます!」と一気に飲み干す。
何とも言えない薬草染みた味に土臭い薫りが鼻腔に残る。
さも叡智を集めた飲み物とはコレなのかと馴染みない味に想いを馳せる…。
「ほほう、イケる口でごじゃるな」
と表情の無いオケラ様が触覚をクルクル震わせて喜んでいる多分。
「ささ、もう一献」と注ぎ勧める。
金杯を受け、二杯目を口に含んだ時…。
オケラ様が呟く。
「麻呂のおやつのミミズジュースを好きな者が初めておった」
〈ぶーーーーーっ〉とちるなはオケラ様の顔に噴き出す。
「ミミズですって〜」
「ハハハハハ」
「良き日でごじゃる」
「うー良き日ですね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます