第15話 正虎、挙手!
「これより皆さんに役目を配分致します」
「小太郎さん、砂塵のエリアでこの小山の領域に立ち入る輩の警戒と駆逐を願います。何人も近寄らせないように願います」
「エインセルさん、私を異空間の揺り籠に格納して頂けないでしょうか」
「果心居士さん、屏風絵天衣無縫で紫の狼煙までエインセルさんを移動させて頂けますか?
ニュートン卿が置いた紫の狼煙筒にはニュートン卿の馬印が刻印されておりますのでそれを目印と出来ると思います」
「森羅万象さん、ゴーレム兵を5000ほど用意出来ますでしょうか?」
ちるなの立案した作戦は、第一段階として隠密での潜入作戦となる。
エインセルの亜空間、悠久の揺り籠にちるなが隠れ気配を消す。
エインセル自身も無機質な物体と化す。
果心居士はその無機質化したエインセルをニュートン卿の紫煙幕筒の馬印目掛けて移動させる。
移動が済んだら、森羅万象さんのゴーレム5000を小山の頂上目掛けて進軍させる。
更に卜伝さんの威圧で強敵が襲って来ていると小山に隠れ住む御君を煽り、迎撃の為に登頂部の大岩が開いた隙を狙ってエインセルの揺り籠から出たちるなが内部に侵入する。
一同、異論などちるなの明晰な作戦に唱える訳もなく。
逆に面白いと喜ぶ感じ。
そこに一人だけ声を上げたのは正虎。
「ちるな殿に一宿一飯の恩を返したいが我には力無く申し訳ない」と頭を下げる。
「であれば、森羅万象さんのゴーレムの采配をお願い致します。」
「森羅万象さん、よろしいでしょうか?」
森羅万象は、深く被ったフードの頭を縦に動かし‘良い’と頷く。
「さて陣ぶれ出来ましたので御君の下に馳せ参じるは後一歩です」
決然とした表情でちるなが激を飛ばす。
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