第11話 カムイの風。
本隊がいよいよ陣幕の前の森まで辿り着く。
総勢500名居た殺戮部隊は本隊のみの200名に激減している。
監視している忍びが猛将権左に状況を伝える。
猛将権左は激怒していた。
本隊以外の300名は権左直属の兵では無い。
気心の知れた直属兵は権左と同じ動きをしてくれるので直接の指揮は不要。
軍師から預けられた300名を本隊として権左直接の指揮下する。
この300名は深編笠を被っており顔や表情は誰も知らない。
よりによって直属が全滅して得体の知れない兵のみが指揮下に残った状態となる。
その兵等と追討するしかない。
陣幕を見張る忍びの元に追討部隊は到着する。
そこから窺う陣幕の篝火前に変化がある。
篝火の前に居た歩哨の若武者3名は居らず。
魔人の様な出で立ちの異形が仁王立ちしている。
剛力無双アラハバキ神威だ。
忍びからの情報だと警護の武者は数十との事、直属の兵が殲滅しているという事は手練れは陣幕の外に出払っている。
間髪入れずに陣幕を強襲すべき!
権左は強襲せよと号令する。
深編笠の兵が一気に陣幕に襲いかかる。
カムイの1メーターほど手前で兵が見えない壁に立ち往生する。
300名が立ち往生している内に深き森より他の異形が戻ってくる。
閃光が一閃し見えない壁に火花を散らす。
一閃の線上の兵血飛沫をあげずに真っ二つに…なった。
深編笠を斬られた兵の顔が露出している。
髑髏だ。
こいつら人間じゃない。
真っ二つになって崩れ落ちた骸骨武者は切断された箇所を接合させて再び立ち上がる。
相手が骸骨の骨だと玄蕃の居合では切断出来ない。
カムイの後ろに飛助、明鏡、お京が戻って来る。
「骸骨武者か、厄介じゃの」と3人が思案しているとカムイが「我に任せよ」と呟く。
「結界を解く、各々陣幕の護りを頼むぞ」
「では参る」
カムイは結界の印を解くと静かに歩き出す。
遮光の眼孔が静かに開く。
カムイの足元の地面が小さく鳴動して来る。
砂つぶや小石が宙に浮き始める。
カムイの足も数ミリ浮いている。
手を真横に伸ばして腰の辺りから体を回転し始める。
〈キーンンン〉と共振音が響き始める。
〈ボワン〉
カムイが消える。
音速の速さでカムイは骸骨武者の中に突進していた。
カムイの体は鉱物の鎧で出来ている。
音速の体当たりは砲弾の勢いがあり骸骨武者は次々に粉々に粉砕される。
粉々に粉砕される辺り一面にに飛び散る骨粉。
ここまで粉々となると再生する事も不可能のようだ。
数分後には立っている骸骨武者は居なくなる。
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