第75話 妖怪族を束ね、磐石とする。

 妖怪達には不思議に思う事がある。

 人の生命は短いけどその短さの中で選ぶべきは朽ち果てる物や地位や名誉など、心・精神が〈ゾワゾワ〉する物ばかりに執着固執する。

 短い生命1秒たりとも惜しんで唯一自我を感じる心・精神を満たす行いを優先すべきなのに無関心が多い。

 妖怪の様に超長寿であれば回り道もいいけどね。

 と豆腐小僧が独り言の様に話す。


 風が吹き過ぎる。


 楠木の薫りが染み渡る。


 ぬらりひょん爺が「さ、作戦を頼む!」と小豆公望に話を渡す。


 もう総意は最初から決まっている。


 方針の説明が再開する。


 まずは、妖怪族を束ねる事として。

 1 要の地:この西の妖の里を妖議事堂として皆の結束の要とする。

  要の地の事務局長は小豆公望。

  軍師本部もここに配置する。

  メンバーは井戸の神、さがり、月の兎、付喪神、轟小僧、付紐小僧、辻神、算盤坊主。

  西の妖の里は巨大な湖に面する“畏おそれ組み”の里。

  里の周りは怪猫一族の幻術で里への入口さえ見つからない。

  三方の守りとして、

  東は海を背にする地、鴉天狗“白鴉” の姫が頭領する“妖し組み”が守る地となる。

  海には海のもの等が幽霊船を旗艦に陣取っている。

  海のものは恵比寿さんを筆頭に海座頭、

  南は砂塵とカルデラ活火山が噴火を絶やさない火の国。

  鬼の若君“伊吹丸” が束ねる“牛頭ごず組み”が守る。

  北は雪の冠が絶えることのない切り立った山脈が連なる山岳地帯に棲む雪女の“雪姫” の“白夜組み”が守る。


 2 連絡経路:東の鴉天狗の妖の里、南の火の国の牛頭組の里、北の雪女の白夜組の里、海のものの幽霊船

  それぞれに異空間通路を開設。

  組織立てはエインセル殿に話はしている。

  メンバーは鬼門と天邪鬼と般若。

 

 次に妖怪を増やし育成する。

 1 大楠木は田心姫神のご加護で進化の光彩が降り注いでいます。

  妖怪の子供らの育成場所として最高の場所。

  小さき頃より顔見知りとなれば種族間の親睦も深まる。

  組織立ては座敷わらし。

  メンバーは座敷わらし、金色姫、ケサランパサラン、五位の光、鈴彦姫。


 次に警戒網です。

 1 連絡網:各里は里の周りの巡回を徹底する事。

  組織立ては天狗八仙。

  メンバーは犬神一族。


 2 広域警戒:妖議事堂配下に諜報活動に長けた者を集め広域警戒を行う組織を作る。

  組織立ては風魔小太郎。

  メンバーは土蜘蛛一族、情報収集:尻の目、百目、無眼、情報採取:提灯お岩、提灯お化け、提灯小僧、

  提灯火。


 3 妖怪自衛隊:緊急時の対応部隊を組織する。

  組織立ては平将門公。

  メンバーは油すまし、油坊、人食い刀、煙羅煙羅、置行堀、大頭小僧、大首、一本だたら、赤蜂、

  一反木綿、大坊主、逢魔時、大百足、お菊虫、子泣き爺、影女、傘化け、火車、けち火、血塊、虎隠良、

  古烏、虚空太鼓、古庫裏婆、小雨坊、こそこそ岩、小袖の手、木霊、正塚婆、不知火、人面瘡(疽)、

  水虎、石妖、瀬戸大将、叢原火、袖引小僧、空木返し、大天婆、松明丸、多娥丸、滝霊王、宙狐、

  蝶化身、長面妖女、塵塚怪王、釣瓶落とし、釣瓶火、震々、べとべとさん、蛇神、蛇蛸、蛇蠱、骨女、

  舞首、百足。


 研究施設の立ち上げ。

 1 妖怪を科学し更に進化させる。

  エミリアが組織する。

  メンバーはトイレの花子さん、菅原道真公、厩神、囀り石、隠里、隠れ座頭、隠れ婆、銭神、瀬坊主、

  禅釜尚、姑獲鳥、黒塚、黒手、黒仏、魑魅、長壁姫、おしら様、厩神、衣蛸、狐者異、権五郎火、

  三つ目小僧、三つ目入道、三目八面、おしら様。

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