第73話 みんなの意見。
「少し待って下さい。僕の方からお話しして宜しいでしょうか」
ゆうやが手をあげる。
まるで教室での発表。
小豆公望始めみんなが賛同する。
「僕はこの世界とは違う場所から来ました。僕はまだ小学生で皆さんの様に知識も知恵も体力も不思議な力もありません。僕の世界では幼馴染のみなみちゃんとの毎日だけが楽しみでそれだけで十分でした。不足という事も何も感じることさえありませんでした。向こうの世界で命が終わった事、みなみちゃんがいない事、受け入れ難いことを全て見ない様にしてこの里まで来ました。ハクアやスプリガンやミケちゃん沢山の友達が出来てこの世界で生きて行く心構えが芽生えて来たけど田心姫神が真実を見つめる事を促した途端逃げました。弱いです僕は意気地なしです全くの意気地なしなのです。皆さんの様な凄い方々とは違います。どうか僕も仲間に入れて欲しいのです」
「よく言った!ふふふふ」幻魔スプリガンが声を上げる。
「俺はお前を救い出す為に何故かお前が来る前からお前が捕まりそうなところに捕まって待ってたほどの古い付き合いだ!だから分かるぞ、いや知っておるぞ!先ず馬鹿がつくほどお人好し、相手を見下す事を知らないお人好し、相手の事を自分の事以上に感じ入って激怒するお人好し、どんな相手でも同じ目線で接するお人好し、欲無く見栄もないお人好し、要はお人好しだ!ふふふ」
「尊きお方が私をゆうや様を捜索に向かわせる時に仰られました、純粋無垢の仁なる心を保護せよ、そして一生仕えよ」とハクアに命じられました。
「私は幼き頃より御君ゆうや様の事を聞かされて育ちました、お会いした時に聞いていたそのままのゆうや様だったので嬉しさで気を失いました、ゆうや様は私の命です」
敷島 三尉
「坊主お前は色濃ゆい日本人だ、それだけで俺はお前を信じる、そう言う日本人を自衛隊は守るのが指名だ」
ミケちゃん
「ゆうや様、ミケはあの時の優しさでお供すると決めたのよ」
小豆公望
「弱い妖怪の小豆小僧の僕を弟の様に接してくれました、これまで妖怪を含めこんな優しさに触れた事はありません、私は離れません」
エミリア
「僕は尊きお方の御君様捜索担当だから付いて行くよ、それに色々と興味があるしね」
ちるな
「皆さんの結束の要はゆうや様と考えます」
ゆうやの傍に〈モクモクト〉白い靄が出てきて人型となる。
みなみちゃんだ!
「ゆうやはね、誰が見ていなくても人を思いやる事を普通に実行する良い子だよ、お子ちゃまだけどね」
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