第72話 妖会議始まる。
古来より妖怪、妖の類の存在は伝承されますが人に追いやられ、種族の系譜さえ途絶える危機さえ出て久しい。時には強大な妖力のある妖怪が人の世界を切り取ろうとしましたが侵略は結局安住の地とはならず。彼らの未来永劫を考える妖会議の開催はその沸々とした思いが高まる中に開催されるべくして始まりました。
〜○〜
今宵は満月。
狸どもが腹包を〈ポンポン〉打ち鳴らす中、大宴会場の大楠木の前に主要メンバーが集まった。
大楠木を背にゆうやを座らせ。
それを囲むように扇状にゆうやと向き合う様に代表席が用意された。
真ん中は妖魔軍師 小豆公望、その左手には白鴉姫ハクア、猫又姫ミケ、恵比寿さん、平将門様、右手はぬらりひょん爺、伊吹丸、雪姫、妖狐、犬神刑部、土蜘蛛、刑部狸各々の代表の後ろには同族らが並ぶ。
ゆうやの左横手に自衛隊 敷島 三尉、斎藤 隊員、錬金術師エミリア、妖魔大間抜けスプリガンも並ぶ。
右横手にはオブザーバーとして内侍ちるな、ドルイドマスター 森羅万象、地獄の執政官 夢魔公爵ギヒノム卿、自分自身怪異エインセル、風魔小太郎が居並ぶ。
小豆公望が口火を切る。
「作戦目標、
一つ、御君ゆうや様の鎮静と救出
二つ、黒き沼黄泉の門を塞ぐ
三つ、田心姫神の救出
この3点、全て達成出来ました」
月の兎が月明かりの投影板を設置する。
仰ぎ見る満月の光の中に小豆公望が用意した体制図が投影される。
「樹海に棲まう妖は今後結束しなければ、黄泉比良坂で遭遇した古きもの様な悪意を齎す者らに対抗できないものと考えます。今回は神域の力を持つ方々の助力もあり切り抜けましたが我らだけでは到底は敵いませぬ事は必定。我らは齢は永くとも種の数、繁殖は極めて低くよもや絶滅の危機に瀕する種族も居ります。我らが安住を齎す結界、相互補完の体制構築は急務。我らの盟主として御君としての言い伝えに倣いゆうや様を迎え盤石の楚を築くべき時、叡智と能力を結集し安堵の里を確実にしましょう」
「その為に打ち出した方針を説明します」
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