第55話 神も有限を知る。
ダイダラボッチはまさに黒い大山。
その体から土砂を逆柱が配した支柱に吹き掛ける。
見る見る内に50センチの隙間は土砂で塞がり次々に20メータの高さの土塁が出来上がる。
一ヶ所だけ大襖と直線で結ぶ線上だけが土塁が無く大きな隙間が開いている。
そこに〈ガシャガシャ〉〈ガシャガシャ〉と、
がしゃどくろがやって来てパコッと隙間に身体ごと嵌る。
大きな骸骨の門が完成する。
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古の伝承。
大雷神、火雷神、黒雷神が黄泉比良坂の出口で地獄よりの使者ミケちゃんを待ち構える。
様子見に出向いた若雷神、土雷神の首はとうの昔に宙に舞った。
神ごときが争う相手では無い。
残りの雷神にも寿命が近く。
人の限りある命を儚げと思っていた我が命も有限であったとは皮肉なものである。
理不尽な業を忌み嫌う純粋な究極生命体がもう直ぐに眼前に現れる。
黄泉比良坂の亡者で淀んだ空気、更には地を這いめぐる瘴気も多少なりと名残惜しく感じられずにはおれないそんな時間が流れる。
〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉〈シュパー〉
…。
と曼珠沙華のお花畑が近ずいて来る。
必殺の構えで身構えても無駄だろう事が自然と分かる。
圧倒的な存在が来る。
身構える雷神の主神格3柱がお互いに目を交わしてニヤリと今生の別れを交わす。
来る!
その刹那、黄泉比良坂の暗闇から大きく両手を広げ咲(裂)雷神が踊り出て立ちはだかる。
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