第9話 光の使命。それは…。
「ケルト人の次には日本人に肩入れか〜愚かなクー・フーリン」と罵倒されながらも仁義に応え、闘い、そして光となった勇者。
ケルト神話と日本の古代史、日本人の気質は非常に似ており他の民族との相性を遥かに凌駕する好相性。
だからこそ、ダーナ神族の勇者もジッとして居れなかった。
〜○〜
憎むべきは暗黒の者共!
“ケルノンクス”が、静かに語り始めた。
「惨劇それは、現世で起きていること。事実であるメぇヘヘ」
「話は長くなるのでメぇヘヘは、最後に一度にするメぇヘヘ」
# メぇヘヘ加減できるんかい!#
「小僧殿貴殿が、見てこられた惨状は元を正すと我らダーナ神が負わねばならぬ
因果である」
〈時代背景〉
小僧殿の文明で、語られる史実の言葉を使い掻い摘まんで説明申し上げる。
ギリシャ・ローマ時代以前のヨーロッパ全域を跨がる大きな領域を思い描いて欲しい。
紀元前、我らダーナ神族は古より人智を超える力と智恵を持つ、森羅万象を体現する神に類する存在じゃった。
我らは、人ではないのじゃ。
人の子等のような欲得の心がなく、心の命じるままに行動するカオスな在り方をとっておった。
好き嫌いが強い移り気の激しいじゃじゃ馬娘の心のようなものじゃ。
そこにヨーロッパの中央アジア寄りにて一大文明を築き上げた人族であるケルト人がヨーロッパの地に現れたのじゃ。
どうもダーナ神族とは違う神に類する日出ずる国より訪れた神に気に入られ手厚く指南を受けて一つも二つも抜きん出た人族としてヨーロッパ全域に侵攻してきた。
ケルト人の侵攻とは、小僧殿の知る植民地化するためのものではなく、純粋に強き物を探し求め己の強さを試す冒険色の強い目的であった。
ケルト人は、破竹の勢いでヨーロッパ全域を駆け巡った。
駆け巡る先々では、略奪・思想の押し付け、植民地のような搾取など皆無でケルト人は異文化の人族に触れると、人族を苦しめる太古からの存在の討伐とゆう名目で強い相手を求め巡った。
当時先進の科学技術である鉄器もケルト人の侵攻で広まった。
そして時を待たずしてダーナ神族のテリトリーに現れたのも至極当然。メぇヘヘ
〈ケルト人は無垢そのもじゃ。〉
ダーナ神族の神の力にケルト人は狂喜した。
強いぞコイツらは!
勝負甲斐があると!
ケルト人は、一言で言えば、純粋無比じゃ。
己の生を輝かせるために命を賭けて挑んでくる。
ケルト人の裕福な王であろうと、その地位を投げ捨て単身で攻め上がってくる。
卑怯なまねは良しとせずに正々堂々一騎打ちの真っ向勝負。
負けても遺恨は残さず勝者を讃え敗者の勇気に涙する。
小僧殿の言葉で表現するならば、エンタテインメント好きのお人好しで、察しが悪いイノシシ野郎じゃ(ケルトの女性も同じじゃた)
この面倒で厄介な愛すべきケルト人は、カオスな面が主な我らダーナ神族が戦う気持ちは最初から湧かなかった、じゃれ合いながら住処を追われ続けて、常若の国に引き篭もる事にした。
しかしながら気儘なカオス心旺盛なダーナ神族が、大人しく籠もる訳もなく、
ことある度にケルト人とじゃれ合いまたは味方になり、智恵を授ける等の関わりを続けた。
そんな面白き夢の様な数千年が過ぎ去り。
ギリシャ・ローマ時代と移り、ケルト人も追われる存在に成った。
ケルト人は、我らダーナ神族と親交するためにドルイド僧という術者も確立していた。
何を隠そう、我もドルイド僧との親交は活発に行い面白い時を過ごした。メぇヘヘ
〈ケルト人の衰退〉
ケルト人の衰退は、先に話したその純粋無比に依る所が大きく。
ギリシャ・ローマ人の狡猾な智恵に、どんどん倒れ、とうとう致命的な局面をむかえる。
一神教をギリシャ・ローマ人は、正式に国の信仰と定めた。
これにより、一神教教徒以外は異端の信仰邪悪なるものと位置づけられ
我も知名度高い悪魔として認定頂いた。
その名は、大悪魔バフォメットじゃ。
有り難迷惑の極みである。
ケルト人の衰退は、異端ドルイド僧狩も大きく作用し我らダーナ神族と交信できるドルイド僧の激減も大きかった。
一神教教徒の異端の信仰の先導者ドルイド僧狩りや魔女狩りは無慈悲で理不尽な暴風如く吹き荒れた。
我の数千年来の知己もどんどん倒れ消えた。
ケルト人の窮地をダーナ神族も護ることも出来なくなって衰退していった。
イングランドの島では、アーサー王が一時盛り返したが一神教教徒は根強く長くは持たなかった。メぇヘヘ
愉しきケルトの人々。
悲しきケルトの人々の終焉。
ダーナ神族にとっても悲しい思い出。
〜○〜
一神教では異端、悪魔と呼ばれ討伐された土着、先住の種族そして神々に哀愁が漂う。
あまりにも利己的で理不尽な剣が襲い掛かった暗黒の世がそこにはあった。
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