第2章:君と往く試練の旅路
第1話 襲い来る嵐
トレーラーのエンジン音が荒れた道路に響き渡る。
なんとか逃走は成功したらしい。サトネはフィールドブレイズの2号機コックピットから可能な限りの情報収集につとめていた。
一方でフィールドブレイズ1号機のコックピットに座るリナは、神妙な面持ちで黙していた。
「青木さんやったら大丈夫や。あの人は簡単に口を割るような人やない。今は僕らが逃げ切ることに集中しよ」
リナの様子を察したサトネが口を開いた。
「あぁ、そうだな」
工場を離れた安心感が一瞬だけリナの心を和らげたが、サトネの言葉ですぐに次の行動を考えなければならない現実に引き戻された。
「次の目的地はあるんか?このままやと、いずれ追いつかれる」
「とりあえず、首都縦貫道に沿って山間部のトンネルを目指す。追跡が難しくなるし、時間を稼げるだろう」
「わかった。ルート設定はしとくから、リナはちょっと休んどき」
リナは頷き、コックピットのシートに深くもたれかかった。心の中で青木の無事を祈りながら、次のステップに備える決意を固めた。
「分かった。でも次のトンネルまではこっちからも警戒しておく。進路はサトネ、任せたぜ」
「了解。絶対に逃げ切ってみせる」
二人は言葉少なに、それぞれの役割に集中した。後方の追手を警戒しながら、リナはフィールドブレイズのシステムチェックを開始した。
サトネは情報収集とともトレーラーの自動運転システムに新たなルートを指示する。トレーラーはスピードを上げ、遠くに見えるトンネルに向けて突き進んだ。
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