第2話 僕らは、また

「久しぶり……なんかな?」


サトネには、あまり実感がなかった。


目の前のハツラツとした女性があのオタク気質全開だった幼馴染とは、にわかに信じられない。


「あ、そうか……。つい最近だったな、意識が戻ったってのは」


「小学生が急に今日からハタチや言われても、そら……なぁ。あはは。」


幼馴染のあまりの成長ぶりに困惑していただけだったが、何かセンシティブな捉えられ方をしてしまったので、とりあえず話を合わせた。


「そう、だよな……ま、まぁ立ち話もなんだ。とりあえず中入れよ、な?」


「うん、お邪魔します」


案内されるまま事務所のソファに腰掛けるサトネの額には、汗が滲んでいた。


「体調は、大丈夫なのか?」


「本音言うたらちょっと、しんどい」


「10年も寝たきりだと、そりゃそうだよな……」


「大丈夫、大丈夫。昔から体力はない方やったから、そんなかわらんて。」


寝たきり、植物状態。


そういった状態にサトネは、10年近くも陥っていた。


「それより、積もる話がそれこそ山のようにあるんやから」


「あぁ、そうだな。じゃ、まずはこの10年のことから話すとすっかね!」


対面に腰掛けたリナはパン!と膝を叩いた。


自然とサトネは、長話を覚悟した。

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