第3話 忍びよる影
気分が晴れない。次の試合が目の前だってのに…ジェネフランスのシャルロット。
フェンシングだが、少々硬いスタイル。
防御特化型。闘いのことを考えだしたら
ますます鬱屈としてきた…
「許可なくかってに出られては困ります」
「うるさいッ!!ウチに指図するな」
どうせ街は鈴麗ばかりだ。ウチだけが
取り立てて目立つワケでもあるまいし。
とがめるSPをふり払い外へ飛び出す。
ショッピングモールをひやかし、
展示されている衣装を眺める。
「わぁ。キレイこんな服があるんだ」
思えば服を買うなどしたこともない。
かっぱらうのが生きる術だった。
今の状況では試着することもリスクを
伴う。もっともこんな女の子らしい服が
似合うかあやしいけれど。
引き立ててもらえる男がいれば又違うんだろうか。ふと思い浮かんだ朧げな像が輪郭を結び出したところでウィンドウに映る背後に光が刺した。
身を屈めると、サーベルが地面に突き刺さった。刀身の照り返しがヤケに眩しい。
ココは危ない。とりあえず逃げなきゃ。
シュッシュッシュッ
サーベルが立て続けに射出される。
「ウチはコッチだ!!」
周りの人を巻き添えにしてはならない。
ココは引きつけておく。
海沿いの工場地帯。
見晴らしの良い場所に出た。
ガレージなど遮蔽物に利用できるし、
相手の方向も確認しやすい。
シュッシュッシュッ!!!!
(なにッ!?思った以上に慣れていやがる)
それに移動速度も速い!!!!
しまッ…
サーベルが右膝に突き刺さった!!!!
「ガッ…」思わず姿勢を崩し、抱え込む。
そのサーベルには紙が結わえられていた。
『次の試合が楽しみですわ。思う存分にいたぶってあげる』
シャル…ロット… 意識が遠…
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