第11話 処女喪失
光源氏は、まだ幼い紫の上を、引き取り、自分の手元で理想の女性へと育てます。紫の上は光源氏を兄のように慕い、あとにまとわりついて、一緒に遊んだり、一緒に添い寝したりします。こうして紫の上は光源氏に完全に心を許し切っているのでした。
やがて、葵の上が亡くなります。喪中は紫の上のいる二条邸にはいかず、もっぱら左大臣家で過ごします。葵の上の死に、悲しみにくれ、喪中を過ごします。やがて、喪が明け、光源氏は二条邸を訪れます。そこには美しく成長した紫の上が源氏を待っているのでした。紫の上の方はまだ源氏を1人の男としてではなく、兄のように慕っています。しかし、源氏は、もう、男として我慢できないのでした。
ある日の朝、源氏が早く寝所から出てきて、紫の上が一向に出てくる様子がない時がありました。そうです。源氏は紫の上とエッチしたのです。もちろん、紫の上にとっては想定外のことですねて起きだしてもきません。その後も、紫の上の怒りや悲しみはおさまらず、源氏に対してつれない素振りをします。
兄のように慕っていた源氏に、無理やりエッチされ、紫の上の気持ちはいかばかりでしょう。こんな形で処女喪失したのでは、紫の上にとってはあんまりです。せめて、もう少し、いろいろなことがわかってからでもよかったのではないかと思いますが、源氏の方は、もうこれ以上待てなかったのだと思います
しかし、紫の上にとっては、それが裏切り行為のように思われて、しばらくはずっと怒っていました。
当時の通い婚の習慣と比べると、この光源氏と紫の上の結婚は特殊な例で、一緒に暮らしていてそのまま妻になったわけです。光源氏も、もともとそのつもりで紫の上を引き取ったわけですから、やっと、これで夫婦になれたわけですが、当の紫の上がひどく恨みがましく思われるので
紫の上が機嫌を戻し、妻としての自覚を持つには、もう少しの時間が必要でした。
おそらく、いきなりの処女喪失に、紫の上は悲しみにくれたことでしょう。おそらくしばらくは、源氏もエッチもできなかったのではと思います。でも、女として、源氏の妻として、少しずつ自覚を持ち始めて、エッチも受け入れ、本当の夫婦になったのだと思います。
兄から夫へ、紫の上の中で、どんな葛藤があってそうなったのか、そこはみなさんの想像に任せたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます