第5話  通い婚でエッチ 

 源氏物語の時代は、結婚は通い婚です。正妻も、そうでない女たちも、宵の頃男が女の元へ通い、エッチして、次の日の朝には、宮中に参内する。男はその日エッチしたい女の元へ通うのです。

 だから、あちこちに女のいる源氏は、忙しい。時にはあちらに、時にはそちらに、とエッチのために通わなければならなく、まむしドリンクでも飲んで頑張らなければなりません。

 ただし、紫の上は別です。幼いときに引き取って、自分の手元で育てたから通う必要はない。エッチもしたいだけできる。

 源氏の正妻は葵の上という左大臣の娘だったが、ここへも足は遠のきがちで、源氏は紫の上のいる、二条院で、過ごすことが多かったようです。

 それでも、それほどエッチしてないのに、葵の上は懐妊する。それを聞いて、六条の御息所という気位の高い女性は、嫉妬のために生霊となって、葵の上の出産後、葵の上にとり憑いて殺してしまいます。六条の御息所は、夕顔という源氏の女にもとり憑いて殺してしまいます。源氏が六条の御息所のところにあまり通わなくなったことが原因で2人の女性が六条の御息所に取り殺されてしまうのです。

 通えばエッチが待っている。通わなくなるということは、エッチが絶え、見捨てられたと思われても仕方がない。

 六条の御息所の生霊は、源氏の前にも現れます。夕顔の時も、葵の上の時もです。それにより、源氏は六条の御息所の嫉妬の深さと恐ろしさを知ります。それ故、いっそう、御息所のとこへ足が向かなくなる。そうすると、さらに御息所の恨みは深くなる。悪循環です。とんでもない女に手を出してしまった源氏が悪いと思いますが、実際に、生霊となって現れるのはすさまじい。

 こうして、通い婚に疲れた源氏は後年、自分のハーレムを作ります。そこに自分の愛した女たちをみな集めて住まわせて、いつでも会えるようにする。これは通い婚が当たり前の、当時には珍しいことです。

 こうして、源氏は通い婚の煩わしさから解放され、のびのびと好きな女性たちとのエッチを楽しむことができるようになります。

 ちなみに、六条の御息所は死んでからも、今度は死霊となって、源氏の前に現れます。どこまでも業の深い女性なのです。


 読んでいただきありがとうございました。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る