第2話 光源氏の過ち
光源氏は、亡き母親によく似ているという、藤壺のことを思い続けてます。藤壺は光源氏の父親、桐壷帝の中宮(妻)です。父の妻に光源氏は横恋慕しているのです。
ある日、藤壺が里下がり(宮中から自分の実家に帰ること)をすると聞いて、いてもたってもいられず、源氏はそこに強引に訪れて、藤壺の宮に関係を迫ります。藤壺もまんざらでもなく、源氏のことをひそかに思っているが故に、結局源氏の思いを受け入れ、2人はエッチしてしまいます。
その結果あろうことか、藤壺は懐妊してしまいます。もちろん、帝は自分の子だと信じているから、大喜びだが、真実を知る、藤壺と光源氏は、事の大きさにおそれおののきます。世間的には、光源氏にとって弟です。でも、実は、自分の息子なのですが、それはあの世まで持っていかなければいけない、大きな罪なのです。藤壺も光源氏も、この大きな罪に、苦しみます。
現代で言えば、父親が再婚した新しいお母さんのことが好きで、迫って、エッチして子供ができちゃった、というとんでもない話なのです。しかも、これが天皇家の話なのだから、さらにとんでもなというわけです。
だから、戦争中は、源氏物語は、「宮中の乱れを描いているとんでもない書物」として読むことを禁止されていたとかいいます。
確かに、乱れまくっているのだが、でも、その乱れが面白い。
紫式部がこれを書いていた頃は、宮中で評判が高く、早く続きを読みたいと迫られたというようなエピソードも「紫式部日記」にあります。
この不義の子はやがて、帝となるのだが、その話はまたの機会に。
光源氏が1番愛し、(不義ではあるが)子までなし、生涯思いを抱き続けた藤壺について、書いてみました。
読んでいただきありがとうございました。
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