2日目
その日は朝から女王の執務室に内閣のメンバーが勢揃いしていた。首相、大法官、国防大臣、国務大臣、内務大臣、外務大臣、機密院議長…
「では、この通りに発表致します。サインを」
机に座るアイラにペンを首相のグレンが渡した。アイラは目の前の書類を読むと渡されたペンでサインした。
「ありがとうございます。陛下」
「いえ、いいのよ」
書類は国民に向けてへの戦後処理の事項であった。
内容は次の通り
曰く、30日以内にザネトリカ全域を占領地とする。
曰く、15日以内に完全武装解除をする。
曰く、10以内に暫定内閣を制定し、これを持って国内の事案に対処する。
曰く、7日以内に戦争責任を問うべく、女王アイラの身元を引き渡す。引き渡し後、戦争責任の裁判を行う。
であった。
元々の決まりではあったが改めて公式に示す事で国民だけでなく、国外にも意思を示すためでもあった。
「大丈夫でございますか?」
声を掛けたのは内務大臣キルマーノックであった。彼は先王の時代から王と内閣の橋渡し役であり、アイラの施政の良き師でもあった。
「いえ、大丈夫です」
アイラは深く息を吐く。
「裁判が終われば、私はすぐに断頭台に身を委ねなければならないのね」
自分で口にしてアイラは笑ってしまった。
「陛下…」
「いいのよ」
アイラは息を整え改めて執務室に集まった人々を見た。
「皆さん、本当にありがとう。今の発表がなされれば国民の間に広がる噂は真実となり混乱が生じるでしょう。これからが正念場です。どうか、お力添えを」
各大臣たちは声を揃えて「はい!」と返事をした。
「では、リベット暫定国防大臣、国内の兵士たちはどれくらい機能するかしら?」
そうして、この日も彼女は政務に追われたのだった。
その日の午後、発表がなされた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます