第十八節:暗黒界で
◆ 俺『ウィーゼル』視点、飛ばされた組
「今度は俺たちだけか?」と『ゲルハート』がいう。
「今はそうかもな、だが『ウィオラ』のことだから何か手を模索しているはずだ!」と俺がいった。
「そうね、『ウィオラ』ちゃんなら何か考えているはずよ」と『セリア』がいって、俺と『ゲルハート』の二人の武器にエンチャントをかけた。
地味だがこれが効くのだ。
相手は六体、しかも囲まれている。
一人で二体を相手にしたいところだが、『セリア』は後衛なので前衛に重みがかかって私たちが三体づつを抱えねば不味かった。
悪魔相手なので、ホーリーウェポンを自身と『ゲルハート』の得物にかけた。
俺と『ゲルハート』の得物が淡く輝いた。
『ゲルハート』とは真逆の方向を向いた。
そして声をかける「そっちの三体を任せるぜ!」と俺はいった。
「任された!」と『ゲルハート』が叫び真ん中の悪魔めがけて突っ込んだ。
その瞬間、俺も俺の目の前で丁度背丈も同じくらいの全身黒色の悪魔めがけて突進した。
その突っ込んだところで戦闘が開始された。
ちゃんとそれぞれ三体づつを巻き込めているようだった。
それは『セリア』の悲鳴が聞こえていない段階で分かった。
まあ対処はできると思うが、それでもバックアップ役はフリーであるほうが好ましかった。
俺は正面の相手をしながら、後ろからの攻撃を気配を読みさばいていた。
誤算があったのは、相手の力量だった。
同じか少し弱いかと読んだのだが、明らかに強かった。
攻めてはいるので、ギリギリ同じくらいではあったが防戦に回ったら押されるなと思ったくらいであったのだ。
だから常に押す態勢が求められたのであった。
俺でコレだから……と思い、『ゲルハート』のほうも気配察知の範囲に入れたかったがその余裕はもらえなかった。
三体の内一番強いと思われるのが目の前にいて、その左右はいうほど強くはなかった。
だから多少余裕があったわけだ。
しかしその余裕がなくなった、新手が来たのである。
こちらの受け持ちは四体となり、ほぼ回避に割かざるをえなかった。
なので弱いと判断したヤツを減らすように、行動にうつしたのである。
確実にコアを狙って打ち抜き、その瞬間ホーリーウェポンをスパイクボール状に変形させてコアを確実に破壊したのである。
それで一応のところ二対一まで持ち込んだのだが、新手も思いのほか強く苦戦を強いられる羽目になった。
「一体受け持つぜ!」と『ゲルハート』が叫んだ。
『ゲルハート』のほうは片が付いたようだった。
正面の一体を『ゲルハート』に任せ、新手を潰しにいった。
これでほぼ同じくらいであり、ギリギリのところで渡り合っていた。
しかしその一体は、何かほかに集中することができたようで徐々に被弾していった。
その
それが
『ゲルハート』のほうも、ほぼ同時にケリがついたようだった。
「結構手ごたえがあったな、俺のほうとは大違いだ」と『ゲルハート』がいった。
「俺のほうは大半が見掛け倒しだったんだ。だから二・三度斬り結んだだけで、相手の実力が分かっちまったんだ」ともいったのである。
「何はともあれ助かった」と答えた俺がいた。
「他にもいるけど近寄って来ないわね」と『セリア』がいった。
「後何体くらいそうなんだ?」と『ゲルハート』が聞いた。
「今のところ十数体はいるけど近寄って来ないわ。何か待っているのかしら?」と『セリア』が答えた。
「まだ始まって、いやさっきからすべてを含んで一分も経って無いじゃろ?」と俺がいった。
その直後、最初にいた場所辺りに『セリア』がいる近辺に
『セリア』がその場所から退避してこちら側にやってきた。
徐々にその白球は大きくなっていって人が一人入れるサイズになった。
そして中に人の影が出て来たのであった。
第五章 第十九節へ
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