第七節:官憲
部屋に上がると、静かなものであった。
「そっちはうまくいったようだな」と『ゲルハート』が声をかけて来た。
「どうやら侯爵様ご一行らしいですよ。一気に噂が広がりそうですね」と私が返答した。
「警備員に渡すと縄を解いて逃がしそうだったんでな、持ってきた」と『ウィーゼル』はいった。
「何が不満なのかね? 金なんぞいくらでもあるだろうに」と不思議そうに『ゲルハート』がいった。
「不満だと怪盗になるんですか?」と私が不思議そうに聞いた。
「うさ晴らしか、虜になったかの二択しかないぜ。自身の地位さえ脅かすようなことをやるやつらの感情ってヤツは」と『ゲルハート』がいう。
「めりこんでいるヤツは俺が朝には担いでいこう」と追加で『ゲルハート』がいった。
そして朝まで、『ウィーゼル』が担いできたヤツもめり込んでいるヤツの足元に転がして。そのまま話していたのであった。
そして次の日の朝、朝食を部屋で頼んであったので、そのまま宿屋の従業員がその光景を目撃するわけではあるが、サリーネ神の聖印で全ておさまってしまったという状況になった。
『セリア』も起きてきて。
「中途半端に寝るのって、意外と疲れるのね」といいながら朝食のサラダを食べだしたのであった。
「昨日の晩の部屋でのやり取りは、記録石に記録してあるから大丈夫よ」といったので問題はさらに解消されたのであった。
そしてチェックアウトを私が先導で行い、怪盗二人を『ゲルハート』と『ウィーゼル』でそれぞれ担ぎ。
官憲にまで連れて行ったのであった。
当然馬車でである。
馬車を一時的に三頭立てにして『セリア』が二人を見張っているのである。
ランクの高い術者である『セリア』には、術が効き及ぼさないからでもあった。
そして昨日の警備員と同じようなやり取りが官憲でもされたので、私が腹を立てて「この国では侯爵になったら、何をしてもよいのか!?」と怒鳴り、怒りをあらわにしたのであった。
それに対し官憲の高位階の裁判長が「決して許されるものではない」といい切ってくれたため、無事引き渡すことになったのであった。
被害にあったものから賞金がかけられているという事もあり、かなり高額な賞金がかけられていたのである。
その額、実に四十プラナであった。
よって一人十プラナとなったのであった。
私の現額が、六百二十一プラナ二百九十七ゴルト七十七シルズ八十ブロスとなったわけである。
旅行財布の中身[1.869kg]
五十P×十二[1.02kg]、十P×一[0.045kg]、五P×一[0.03]、一P×四[0.024kg]
五十G×四[0.24kg]、十G×九[0.27kg]、五G×一[0.025]一G×二[0.03kg]
五十S×一[0.05kg]、十S×二[0.07kg]、五S×一[0.025kg]、一S×二[0.04kg]
旅行小銭入れの中身[0.16kg]
五十B×零[0.00kg]、十B×八[0.16kg]、一B×零[0.00kg]
五十Ca×零[0.00kg] 貨幣全重量二.〇二九キログラム、
体重を除く全備重量が六十六.八九九キログラムとなったのであった。
また少し重くなったのであった。
馬車止めのところでいったん皆で馬車の中に上がり込み作戦会議といった様相をていしていた。
馬車の中で『セリア』は地図を見ていた、冒険者ギルドで正式に出している地図である。
中々正確なので冒険者以外にも重宝されているのである。
「次はようやくフレイですね。パーティーどうします」と私がいった。
「時間が取れるようなら、俺は付いて行きたいと思っている」と『ゲルハート』がいった。
「俺も同じ意見だ」と『ウィーゼル』も答えた。
「私も同じだけど少し時間掛かるけどいいかな?」と『セリア』もいった。
「私は……、皆さんと一緒ならどこにでも行けそうな気がするので、改めてよろしくお願いしたいくらいです」と答えた。
「決まりだ、俺もウィオラの師匠とやらには会ってみたくてな」と『ゲルハート』がいった。
「それはみんな同じじゃないかしら?」と『セリア』がいった。
「でも次は難関よ?最低二日は同じ風景が続くから、後交通量も多いし」とも追加した。
「首都へ乗り込む道ですもの、それは仕方ないと思いますが」と私がいった。
「では行くか、首都へ、首都に行って時間を喰うのは多分俺だと思う、カルトルの時と同じように俺が宿代を出そう」と『ウィーゼル』はいった。
「フレイで皆用事を済ませたら、次は『ウィオラ』ちゃんがリーダーよ。まあとりあえず出発しましょう」と『セリア』はいって地図をたたんだ。
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