第十五節:街主の悪行
ソイツが言葉を発してすぐに追加した。
「私はレナウンの
「街主とあろうものが、市民を手にかけ三人も年若き女性を食すなど言語道断、例え天が見ているだけでも俺には通用せん、そなたの悪事今ここで晴らしてやる」と『ウィーゼル』が正義の神サリーネの聖印を掲げると自己強化術式を唱え始めた。
「その言葉しかと聞き届けました、隣国とは言え同じ年頃の女子を手にかけた者が相手とあっては手加減は致しません、その首差し出してもらいます」と私も静かにだが力ある言葉で答えた。
「さっきの言葉、録音されてないと思って? 全てはこの私が記録をすでに行っているわ、申し開きができないようにね」と『セリア』はいった。
『セリア』の前に『ゲルハート』が立ちふさがり「そう言うわけなんでな全力で守らせてもらうぜ!」といった。
「マーク・ルツは下がっておれ、ここは私の楽しみの場所だ」とワラオン・レナウン二世は白髪の執事を下がらせた。
一対四になったがまだ勝てる気がしていない、そういう相手だった。
レナウン二世ことワラオンは上着を脱ぎ
それだけで、
だが私は静かに目を閉じると、心眼を開いた。
どんなに大きく膨れようとも、斬る一点は変わらないからである。
そのまま居合の態勢に持っていく。
ワラオンが走り込んでくる、現在はサイドツートップでストレートツーバックの陣容である。
「オラオラオラ!!」と『ウィーゼル』が瞬間に合わせて連撃を乗せる。
少しだけワラオンの速度が鈍った!
「そこだっ!」と私がいって深奥の一点を居合で斬り抜けた。
それでも走るのをやめないワラオン、そのまま『ゲルハート』に突っ込んで行く。
『ゲルハート』は『セリア』を守るためにその場で「おおおっ!」と漆黒の大剣を最上段から振り下ろした。
ワラオンの顔面から胴体腰の手前までに漆黒の大剣が吸い込まれていく。
それでもまだ歩みを止めない!
私は刀を納刀状態のまま、素手に魔力を握り込み「
そしてそのまま斬り込んだ、ワラオンの首を
“ボトン! ゴロゴロ”とあっけなくワラオンの首が落ちた。
そこからが本番だった。
カッ! と凄まじい光量が周囲を閃光で満たした。
『セリア』はそのまま味方を外して「
『ゲルハート』もあまりの
もとより心眼の私は少し明るいかといった感じであり、まだ相手のコアが現存していることが分っていた、位置も分かる。
『ウィーゼル』は拳で目をカバーしており、直ぐに動ける状態ではなかった。
首を刎ねるというのはあくまでも、罪人の首を晒すのが目的であり、コアを潰すのとは別物であるのであった。
流石に隕石命中は建物内では被害が大きかったか、結構あちらこちらが崩れて来ていた。
私は「
さしもの上級悪魔もコアそのものを潰されては、現世に存在できなくなるようで、立ちどころに黒煙が上がって宮殿そのものが崩れ始めた。
宮殿は現世にあるモノでは無かったようであった。
私は目を見開き、味方の無事を確認すると皆にいった「撤収! もうここは崩れ落ちるわ!」と声をかけた。
『ゲルハート』が身印を運ぶ役となってくれた。
『セリア』の記録石があるのでいい逃れができないなんてことにはならず、無事宮殿からは全員脱出できた。
レナウンの古都側の遺跡と化している白亜の建物が、崩れ落ちる中無事出て来れたのであった。
周囲を見張っていた衛兵には、街主が今回の件の黒幕であったことを伝えたそれは『ウィーゼル』が聖印を片手に証明したのであった。
事後、直ぐには解放されなかったが、事件が沈静化しているのと古都の宮殿跡から三人の服の切れ端やら身元を表すモノや遺骨が直ぐに見つかったため、私たちのいっていたことが正しいということがハッキリと示されたのであった。
身印を渡し、街主がかけていた八千ゴルトというすさまじい金額を晴れて得て、皆でやはり閉口したのであった。
重いのである一人辺り二千ゴルト、一人辺り五十ゴルト金貨が四十枚であるからして。
一人づつ、二.四キログラム増えるのである。
私の現額が、四十七プラナ四千七百九十七ゴルト七十七シルズ八十ブロスとなったわけである。
旅行財布の中身[6.372kg]
十P×四[0.18kg]、五P×一[0.03]、一P×二[0.012kg]、
五十G×九十四[5.64kg]、十G×九[0.27kg]、五G×一[0.025]一G×二[0.03kg]、
五十S×一[0.05kg]、十S×二[0.07kg]、五S×一[0.025kg]、一S×二[0.04kg]
旅行小銭入れの中身[0.16kg]
五十B×零[0.00kg]、十B×八[0.16kg]、一B×零[0.00kg]、
五十Ca×零[0.00kg] 貨幣全重量六.五三二キログラム、
体重を除く全備重量が七十一.四〇二キログラムとなったのであった。
「あー、お財布丈夫なの買ってて良かった」とは私の弁である。
第四章 第十六節へ
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