第六節:激闘
セルテトネとウーバランの街の間を走る駅馬車は復活していた。
ほんの少し前にランク十一のパーティーがやってきてドラゴンゾンビを叩き潰したという噂が広がっていたからであった。
「誰かってだけでも知らないかい?」という乗務員に、「さあ知らないな」というと『ゲルハート』は駅馬車に乗り込んで行った。
「知らないですね」というと私と『セリア』も同じ駅馬車に乗り込んだ、『ウィーゼル』も同じ馬車に乗り込んで行く、全員分をまとめてゲルハートが払ってしまったためでもあった。
ココで
ここの人はまだいいが、私たちにはまだ旅が、半分以上残っているのだ。
それに噂が、本当ならもっと厄介な相手とぶつかることになるというのもせかされているようで嫌な感じだったのだ。
その噂はこの先の街ウーバランと次の街の間のどこかに真のレイスが現れると言うものであるからだった。
しかも噂によると遺跡の盗掘で目覚めた、レイスだというではないか。
盗掘屋たちは一目散に逃げだしたが一人残らずつかまって不死者になっているという噂があるのであった。
詰まり、レイス御一行様って訳だ。
ほっておくと広がるから始末に負えないというのが、PT一同の見解であった。
街が飲まれたら、一環の終わりであった。
街一個不死者の巣窟なんて、聞くだけに嫌気がする。
だから一刻も早く、レイスの一群団を
私たちの道をふさぐ者たちには
なので次の街ウーバランに速く行く必要があったのである。
ウーバランはソコソコ大きな都市ではあるが、シゴクのほうが遺跡に近かったなのでシゴクの街中にレイスが出没しているのであろう。
それに遺跡自体はこの辺りでは珍しい物では無いのであるシゴク、マティ、スタレタ、ファルトと大きな遺跡が街道沿いに四つも有ったりするのだ。
盗掘者の方が珍しいのであった。
マティのこちら側には街道に街は無いが、何かあふれていてもおかしくは無いのだ。
ひとまずは、ウーバランに行って情報を仕入れないと始まらなかった。
といっても過言では無い。
とはいえセルテトネからウーバランは駅馬車が、急いだとしても四日もかかるのである。
この駅馬車は、私たち以外には商人が二人とウーバランに帰る途中と言う職人が一人と御者二人の九人しか乗っていないのである。
定員よりも半分少ないのであった。
なのでもう少し速度が出ても良いはずだったが、そこまで飛ばしはしていなかったのである。
まるで巡航速度に規定があるようにゆっくりと走らせていたのであった。
そして巡航速度がさらに落ちた、流石におかしいと思って刀を抜いたそれもそのはず周りが全てゾンビと化して襲ってきたからであった、速攻でもう一本も抜き放ち二刀流にする。
「御者も死霊だ!」というが早いか、御者二人を速攻斬ってケリ落とした。
馬は普通の馬であったため、気が付かなかったのである。
「『ウィーゼル』馬の制御を頼みます」というが早いか起き上がろうとした商人ゾンビを二人斬捨てて職人を見た、職人は眠らされているのか起きてこないが首筋に噛まれた跡を発見したので問答無用で芯の臓を突きさし馬車の外にほり捨てた。
噛まれる寸前であった。
『セリア』は噛まれた傷は無かったが最初に水を少し飲んだため眠り薬でも入っていたのだろう『ゲルハート』と同様起きてこなかった。
「『セリア』と『ゲルハート』は無事、道に戻して」というと後ろに回ったヘッドレスホース率いる死霊軍団に向かって「
「ちょい先にバリケードがある」と『ウィーゼル』がいった。
「吹き飛ばす!
「少々揺れるぞ!」と『ウィーゼル』がいったので二級品を納刀し即つかまった。
「確かに
「これで取り付いている奴はいなくなったはず、最速で頼みます!」と『ウィーゼル』にいった。
「任された!」と『ウィーゼル』が答えた。
「後ろに回り込んでるやつを処理する!」というなりチョイ長い詠唱に入った、といってもそんなにかかりはしない。
「
その代わり、馬車に
「
道に戻ったようだった。
「隕石雨!!」と唱えると今度は前方向に展開していた、死霊が壊滅したのであった。
「レイダーに反応なし」
『ゲルハート』と『セリア』を対象にして「
「『ゲルハート』と『セリア』は眠ってるだけ! だから大丈夫!」と私は叫ぶ。
「レーダーディテクション! 周囲に攻撃反応なし!」と私がさらに叫んだ。
「御者換わって、リフレッシュを二人にかけてあげて!」と私は言うと御者台に座った。
「
「これでひとまず安心だろう。『ウィオラ』無理せずともいいぞ!」と『ウィーゼル』から声がかかるが、今一つしっくりこなかったので「『ウィーゼル』馬に
「あちゃー、馬が逝っているのか、分かったかけよう、死者蘇生×二! 全状態回復!」というと二匹ともバリバリに復活したのであった。
そして交替で御者をしながら走り続けることそれから四日、少々遅れながらも夕刻にはウーバランには辿り着いたのであった。
第四章 第七節へ
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