第五節:鬼人病治癒
朝方は騒がしかった。
どうやらランク五のパーティーが鬼人病に立ち向かったらしかった。
結果は
神殿は大忙しであったらしい、ここにあったのはオグマ神の神殿であったらしいが、神殿=病院なので運び込まれたのであった。
「あーあ、やっちゃったか」と『セリア』がいった。
「自業自得ですけれどもね、見合う見合わないを判断しないから……」と私は流すことにした。
流石に冒険者ギルドが報酬金額の引き上げを行ったようであった、五百ゴルトになっていたのである。
「でどうする?」と『ウィーゼル』がいった。
「パーティーリーダーとしてはどうしたいですか?」と逆に聞き返した。
「私たちは四名、六名がランクは低いとはいえ返り討ちに会っています」とも追加した。
「誰かが止めにゃならんのであれば、今がその時ではないか?」と『ウィーゼル』がいった。
『ゲルハート』は壁にもたれながらいった「今なら勝てるかもしれん、が損害は覚悟せにゃならんかもしれないぜ」と。
私は歩法の訓練が生きるといいのですけれども……と思っていた。
ここ最近寝る前に足運びの訓練を欠かさず行っていたのだ。
「よし、受けよう。この街の有力者には悪いが……」と『ウィーゼル』がいった。
「角が切れればいいのですけれども」というのを私は付け加え忘れなかった。
「受けてきた」と『ウィーゼル』がいった。
「四人で動くぞ、パーティーを半分に分ける愚策は無しだ!」と『ウィーゼル』がいった。
「夜からですね。昼間は現場検証のみでしょう? それに襲われたところは前と変わらないのでしょう?」と私がいった。
「前と変わらないって、なんでわかった?」と『ウィーゼル』にいわれた。
「誰かが囲っているなら、離す場所も、近くでしょうから」というにとどめた。
「だから現場はおのずと近くになるんですよ。それに……処理部隊も居るでしょうから相手は複数です、多分奇病にかかったのは貴族の奥方でしょう」と私は半分ほど推測だけで当てていたのであった。
「現場は聞いてあるから、そこに夜に行くとしよう」と『ウィーゼル』はいった。
「それまでは休憩でいいのよね」と私は狸寝入りを始めたのであった。フル装備で寝るという狸寝入りを……。
『セリア』も『ゲルハート』も『ウィーゼル』も同様にフル装備のまま眠り始めたのであった。
「そして夜まで誰にも起こされなかった」ということは宿の中にも工作員が居るということかと私は思った。思ったよりも大規模な仕組みかもしれない、と思ったのであった。
「レイダー、と異界感覚を展開する」
「テレパス!」で仲間だけを起こす。
「窓から外へ出よう」と誘いだした。
流石にこの行動は対象の処理部隊には全く分からなく、屋根伝いにこちらがすでに外に出ているなどと言うことは思わず宿の前を固めていたのである。
これでこの街の一部の人間は、グルだったということが分ったのであった。
「来た」とテレパスで伝える。
「屋根の上を走る影一つ! アレが鬼人病患者だ!」とテレパスで伝えると呪文の詠唱に入る。
こっちの屋根の上にまで跳躍して着陸した瞬間を狙って「
何処を掴まれているのかわからないので、もう鬼人は動けなかった。
「
屋根の上だけ全ての会話が
「今から施術を開始する」と私がいって神速の居合で駆け抜け、角だけを根っこから叩き切った。
「
「
徐々に鬼のような形相が一般の人の顔に戻って行く。
しかし陰に、暗黒魔法の影が残ったのを『セリア』は見逃さなかった。
「
「
私も刀を鞘に納めながら戻って来て「まだ破壊衝動はありますか?」と聞いた。
「今はもう何もありません」とはっきりした答えを返してくれた。
「異界の手」を解き放つ。
「さて下の人にも目を覚ましていただきましょうか」といって呪文を唱えた「
焦げるくらいの威力まで落としたので、死人は出なかった。
後に残ったのは鬼人病でできた角だけであった。
その角を持って『ゲルハート』が依頼は全て終わったと渡しに行ったのである、流石に威圧感等の影響もあり褒章金を無事もらって戻ってきたのであった。
その冒険者証はランク十三を示していたのである。
そして報酬は一人百二十五ゴルトになったのであった。
私の現額が、二十二プラナ千二百九十七ゴルト八十シルズ八十ブロスとなったわけである。
旅行財布の中身[2.112kg]
十P×二[0.06kg]、一P×二[0.012kg]、
五十G×二十四[1.44kg]、十G×九[0.27kg]、五G×一[0.025]一G×二[0.03kg]、
五十S×一[0.05kg]、十S×二[0.07kg]、五S×一[0.025kg]、一S×五[0.10kg]
旅行小銭入れの中身[0.16kg]
五十B×零[0.00kg]、十B×八[0.16kg]、一B×零[0.00kg]、
五十Ca×零[0.00kg] 貨幣全重量二.二七二キログラム、
体重を除く全備重量が六十七.一四二キログラムとなったのであった。
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