第四節:無謀

 『ゲルハート』は報奨金を持ってきた。


 この時点で一人五百ゴルト分が増えたのであった。


 私の現額が、二十二プラナ五百九十三ゴルト二十五シルズ八十ブロスとなったわけである。


 旅行財布の中身[1.932kg]

 十P×二[0.06kg]、一P×二[0.012kg]

 五十G×二十二[1.32kg]、十G×七[0.21kg]、一G×二[0.03kg]、

 五十S×一[0.05kg]、十S×二[0.07kg]、五S×二[0.05kg]、一S×五[0.10kg]


 旅行小銭入れの中身[0.16kg]

 五十B×零[0.00kg]、十B×八[0.16kg]、一B×零[0.00kg]、

 五十Ca×零[0.00kg]  貨幣全重量二.〇九二キログラム、


 体重を除く全備重量が六十六.九六二キログラムとなったのであった。


「あーつかれた!」と『セリア』がいった。


「私も疲れました」と私もいったため、今日はここセルテトネ新市街地で休む事になったのであった。


「術者みが、また無理をしてくれたおかげで勝てた様なもんだからな」とは『ウィーゼル』の弁である。


「いい宿屋を見つけておいたぜ、五シルズ一泊だが飯がうまい」とは『ゲルハート』の言葉であった。


「ツイン二部屋一人五シルズ、風呂は共同・便所は部屋だって言ってたな」と『ゲルハート』がそういったのであった。


 私の現額が、二十二プラナ五百九十三ゴルト二十シルズ八十ブロスとなったわけである。


 旅行財布の中身[1.907kg]

 十P×二[0.06kg]、一P×二[0.012kg]

 五十G×二十二[1.32kg]、十G×七[0.21kg]、一G×二[0.03kg]、

 五十S×一[0.05kg]、十S×二[0.07kg]、五S×一[0.025kg]、一S×五[0.10kg]


 旅行小銭入れの中身[0.16kg]

 五十B×零[0.00kg]、十B×八[0.16kg]、一B×零[0.00kg]、

 五十Ca×零[0.00kg]  貨幣全重量二.〇六七キログラム、


 体重を除く全備重量が六十六.九三七キログラムとなったのであった。


 宿帳に全員分の名前を書いて帰ってきた『ウィーゼル』を含めると、ひそひそ話で『ゲルハート』が噂話をし始めたのであった。


「で噂なんだが、このセルテトネの新市街地の中に鬼人病を患った者が居てなそいつが夜な夜な人を殺すっていうんだ。でソイツには賞金がかかっててな百ゴルトらしいんだが、例のランク五パーティーが倒すって息巻いているんだが、明らかに力不足だと思うんだがどう思う?」とこういったわけであった。


「鬼人病と言えば、かなり厄介な工程でしかかからない奇病の一種ですよね? アレってご先祖様にオーガノイドが混じって無いとならないんじゃ無かったですか?」と私が聞く師匠に聞いた通りであればそのままのはずなのだ。


 隔世かくせ遺伝いでんというヤツである。


「ついでに、ランク十は越えてないと立ち向かったら、高確率で返り討ちに会いませんでしたっけ?」ともいった、これも師匠の弁からである。


「詳しいんだな、まさにその通りだ! 賭けにはならないか」と『ゲルハート』が後ろ頭をかきながらそういったのであった。


「感染しないからまだマシなだけだと聞きましたが、人族サイズでオーガノイドのスペックを誇る凶悪な病気であると聞いています。ランク五程度では倒すところか逆に瞬殺でしょう。しかも発症したら二度と元には戻らないとも聞いています。神の奇跡でもあれば治るかもしれませんが、それも確率的には薄いでしょう」と冷静に分析した結果を答えただけだった。


「我々も危ないとは思いますが、一人の時は気を付けなくては」とも私はいったのであった。


「奇跡はミラクルが使えてナンボだと師匠から聞いたことはありますが」と『ウィーゼル』を見た。


「見た目で分かりやすい病気であるとは聞かされています。額に角が生々しく生えるそうですから、確か一本大きな角が生えると聞いていますが」とまでいうと『ウィーゼル』が言った「俺のミラクルじゃ効果は薄そうだな」と……。


「昼間出ないってことは誰かがかくまっていると見ていいでしょうね。この町の有力者相手に喧嘩を売るのもばかばかしい。とっとこ次の街に行きましょう」と私は本音をいった。


「やっぱクレバーだわ、でもその案に一票乗せてもらうわ。有力者と争っても利が無いもの」と『セリア』も無視する方向性を選んだようだった。


「『ゲルハート』」と『ウィーゼル』が突っ込んだ、だが「三対一じゃ勝ち目はないぞ、俺も苦手なものからは逃げるに一票だ」と『ゲルハート』はいったのであった。


「まさか受けるとか言って無いよな? 売り言葉に買い言葉で!」と『ウィーゼル』は聞く。


「受ける所までは言って無いが、お前らじゃ無理だとまでは言った」と『ゲルハート』がいったのであった。


「報奨金で言うことでは無いのですが、明かに低い。この街の有力者が圧力をかけているからとしか思えない普通なら四百はかたい」と私がとどめを下した。


「やり合うなら狙いは額の角一本だけです。それが折れたりすれば確実に力は半減します。そこにミラクルがかかればあるいは……」と私が方策を口にした。


奇跡ミラクルは使えないわけではないが自信が無い」と『ウィーゼル』がいったのであった。


「相手が呪文を一切使わずに来てくれるなら勝ちめはまだありますが、呪文付きだと難しいでしょう」と私もなだめに入った。


「でも、自信も持ってください。今、奇跡を使えるのは貴方しかいないのですから。『ウィーゼル』」とそこまでは言及したのである。


「一体だけなら何とかなるかもね」そういったのは『セリア』だった。


「『ウィオラ』ちゃんが例の鷲掴わしづかみを使って動きを止められれば……」といったのであった。


「効くと良いんですが……オーガノイドのパワーですからね」と私はいったのであった、効くかどうかわからないのは事実である。


「相手が複数囲っていれば終わりますけどね」ともいった。


「複数囲っていれば噂にならない訳は無いし、そこまで大きい噂になって無いということはまだ一匹なのでは?」と『セリア』はいうのだ。


 そして夜も更けるので今日はここまでという話になったのである。



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