第二十八節:神殿への報告

 ラスの宿屋であった、報酬を分けた後の状態は以下となったのである。


 現額が二千三百九十二ゴルト九十五シルズ八十ブロスとなったわけである。


 旅行財布の中身[2.175kg]

 五十G×二十七[1.72kg]、十G×四[0.12kg]、一G×二[0.030kg]、

 五十S×一[0.05kg]、十S×三[0.105kg]、五S×二[0.05kg]、一S×五[0.10kg]


 旅行小銭入れの中身[0.16kg]

 五十B×零[0.00kg]、十B×八[0.16kg]、一B×零[0.00kg]、

 五十Ca×零[0.00kg]  貨幣全重量二.一九五キログラム、


 プラス荷物の中に、千ゴルト(五十ゴルト金貨二十枚一.二キログラム)を含んだため。


 体重を除く全備重量が六十六.〇一一キログラムとなったのである。


 そして、御者さんたちに報告し、例の奴らは片付けてあるから帰りは心配せずとも大丈夫だといったのであった。


 そしてラスからカルトルのオシュル商会の宿までの旅路が始まったのであった。


 道中特に危険は無く、特に何事もなかった。


 車窓が段々街になって行き門前街もかなり大きく国境の街と言った雰囲気が伺えた、大門で御者さんがオシュル商会の特命印を見せると、また問題なく街に入る事ができ、宿に通されたのであった。


「長旅お疲れ様でした、何でも申し付かっておりますので何なりと申し付けください」といわれたので、「よろしくお願いします。少々長く滞在することになりそうですが大丈夫でしょうか?」と私が聞いたのであった。


「大旦那様よりお聞きしておりますので、気が済むまで当宿をお使いください」と支配人からいわれてしまったのであった。


「まあ俺の神殿の用事次第だが、な?」と『ウィーゼル』にはいわれてしまった。


「まあ今日は遅いから明日に聞きに行くとしよう」と『ウィーゼル』がいって豪勢な夕食となったのであった。


 夕食を食べ終わり、風呂も終えると「明日になったらここにも噂がやってきてるんだろうな」という『ウィーゼル』がいたわけではあるが、間違いではなかった。


「上級職への転職のお知らせかなんかかな?」と『ウィーゼル』はいった。


「どうせろくでもないことを言われるのよ」と『セリア』は重くいったのである。


「まあ神殿だしな、何を言われるかはわからんぜ?」と『ゲルハート』もいったのである。


「しかし、バンバン敵が強くなりますね」と私はいわざるを得なかった。


「まあ今日はゆっくり休みましょう」という『セリア』の一声で会議らしきものはお開きになった。


 そして夜が明けた。


 朝も豪勢だったのはいうまでもない。


 そして『ウィーゼル』は一人で神殿に行くのであった。


 そして噂はたちまち広がった。


 ランク十のパーティーが居るらしいぞというものであったが国境の街だからそれくらいは居るだろう、とたちまち流されてしまったらしかった。




◆ 俺『ウィーゼル』視点


 そして場所はサリーネ誠神殿、俺は聖印を門番に見せ誠神殿に入って行った。


 そして司祭に面会を願った、「遠くから呼び出された『ウィーゼル』という名の者が来たと伝えてください」と俺自身がいったのであった。


 少しして司祭様がお会いになられるそうですのでこちらへといって狭い部屋に呼び出されたのであった。


「今回の件のご用向きは何でしょうか?」と俺がいう。


 司祭が答えた。


「今回の件は二つ共にもう済んでしまいました。長旅申し訳ないのですが、そう言うこともあるのです。一つはカルトル遺跡に出るゴースト排除の依頼だったのですが、それはもう済んでしまいました。成し遂げたというランク七のパーティーが現れたのです。そしてもう一つはラスに出る悪霊レイスを倒すという偉業なのですが、それもランク十のパーティーによって成し遂げられてしまった様です。朝方先程早馬が、夜通し走ってきて伝えていただけました。」


 俺は敢えて、黙っていた。


 終わったことを蒸し返すのもな、ろくでもないことをいわれてもかなわんと思っていたのであった。


「済んだことであれば仕方ありますまい。私はこれから見分を広めるために旅に出たいと思うのですがお許し願えますか?」と司祭に、そういったのであった。


「ここまでの長旅途中にいろいろ艱難辛苦があったことでしょう、それでも尚旅を続けられますか?」と司祭が聞いた。


「私は、私の見地を広げるために是非旅に出たいのです」と俺は真剣なまなざしでいった。


「良いでしょう、そのこころざしサリーネの神が許してくださることでしょう。どこまで行かれるのですか?」賛成すると共にどこに行くのかたずねられたのだった。


 かくす事では無いので「とりあえず、フレイニア王国の首都フレイまで行こうかと考えております、そこから先はパーティーの仲間次第です」とそういった。


「分かりました、我々には国境はありません。一神闘士として恥の無いように、どうか『ウィーゼル』の行く先にさちあらんことを!」と聖句を唱えてくださったのであった。


「それとコレを持って行ってくださいませんか? フレイの誠神殿長にお渡し願いたいのです。これを持っていれば国境で留められることは無いでしょう」といって革の封書を受け取ったのであった。


 厳重に蝋封ろうふうほどこされており、手紙である事はうかがえたが時間に追われるのではないかと思い聞く事にした。


「時は関係ありますでしょうか? 早い方が良いとか遅くてもよいとか?」と聞いたのである。


「時は焦ることはせずともよいです、その時の流れに身を任せてください。そういうものなのです。確かにお渡ししましたよ」とその司祭マハドラにいわれたのであった。


「お預かりいたします」といって荷物の背の部分に入れたのであった。


 そして神殿を後にしたのであった。




◆ 私『ウィオラ』視点



 そしてその頃、「『ウィーゼル』が戻ったら換金しに行きますか?」と『セリア』が私にそういった。


「そうしましょう。みんな一緒であれば襲われる心配は無さそうです」と私が答えを返していた。



 そこに丁度『ウィーゼル』が戻ってきたのであった。


「俺に預ける用事は片付いたらしい、なのでフレイの誠神殿長に渡さなければいけない封書を預かってしまった」といったのであった。


「と言うことは、まだ『ウィーゼル』がパーティーのリーダーですね」と私がいった。


「そのようだな」と『ウィーゼル』が同意した。


「両替しに銀行までみんなで行きましょう。その方が襲われにくい」と私が『セリア』がいったことをそのまま伝えた。


 そして皆でぞろぞろと銀行まで行って両替を済ませ、宿に戻ったのであった。



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