第12話 あまおと
冷たい雨が降りつづく
外は灰色で鈍色の世界
白い部屋から窺える
静かなだけの音の連鎖は
落ちる雫の欠片だけ
窓越しに流れるその銀糸
見つめ続けて浮かぶのは
寂しさのほかに
なにがあるのか
痛む右手と同じみたい
わたしの心も疼いてる
一緒に行くよ……
優しい言葉は嬉しいの
でもね
わたしだって
もう子どもじゃない
拒んだわけではなかったのに
困った顔をさせてしまう
こんなわたしでごめんなさい
ほんとは嬉しかったんだよ
素直な想いが溢れたら
そのあまおとさえも
優しくなった
素直に言葉を紡いだら
そのあまおとだけが
暖かくなった
今はわたしだけの
その言葉
それが嬉しい
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