第11話 いっしゅんのきせき

きみの過去の起点を 歴史の始まりと言うのなら

ぼくの未来の終点は 運命の終わりと言えるのか

そんなぼくらが 永遠の中のほんの一瞬

同じ場所に立てた 素敵な偶然に感謝したい

ぼくのこころが ほんのすこし暖かくなった


きみが走りはじめた それを夢と呼ぶのなら

ぼくが諦めたモノは 理想と呼べただろうか

そんなぼくらが 悠久の中のほんの一条

違う想いに囚われた 残酷な必然は見たくない

ぼくのこころは ほんのすこし哀しくなった


生まれた時から 愛され続けたきみを

ぼくはぼくだけの きみにしたいのに

つかまえておくには ぼくは非力で

縛ってしまうは 許せずに


悩み苦しみ そして手放した

きみには幸せに なって欲しいと

言伝ことづてするのも ぼくの欺瞞で

誤魔化し続ける こころもついえた


そこにはなにもない 世界だけが存在し

そこにはなにもない 感情だけが浮遊する

空のあおさだけが どこまでも果てしなく

ぼくのこころを 震わせ続ける

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