第9話 まほうのことば
冷たい雨にうたれながら
わたしの震える手を握りしめ
きみが ありがとうと呟いた
言葉とともに
ひとつ またひとつ
きみの頬を
モノクロームの空の色
きみの瞳に それが映る
激しく揺れるこころの色
わたしの瞳が それを放つ
『ありがとう……』
その魔法の言葉が
わたしのこころを締めつける
わたしの想いを迷わせる
『ありがとう……』
繰り返される 魔法の言葉
忘れたくないのに
放したくないのに
それでもきみと
さよならしなければ いけないの
わたしがきみから
羽ばたかなければ いけないの
わたしを捕まえた
魔法の言葉
そのひと言が とても重い
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