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窓のいくつかが隠れる壁際に立ち、街路樹と接した四角い葉が、季節を問わず落ちてくる。道は汚く緑に染まり、その染色がタイヤに絡まり、そして煙を吸っている。煙突を並べる白い壁には、写真を貼って工場の向こうを隠している。四角い葉が、今も昔のように落ちている。工場の上に浮かぶ月は、朝になるまで沈まない。煙突が、やがて空まで伸びてゆく。煙と落ち葉を攪拌した腐葉土の熱は、工場の電力を供給しながら消費され、貼られた写真は定期的に貼り替えられた。煙突は伸びていく。月に触れたときの、あの冷たい感触、味、忘れがたい体温を求めて。
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