5話 山頂にいる4人組2

「さてと、冗談はさておき、2人とも話してくれてありがとな」


「じょ、冗談………」


ユウは脱力した。


「ここからは僕がお話します。お二人のお話で知っていることは、呪いと変身と居城のことですね。まずは呪いから説明します」


リンとユウの話をまとめ、カミンは説明を始めた。


「呪いについてですが、お二人は右肩にありますが、必ず右肩にあるわけではありません」


それを聞いてリンは1つ納得した。コールとあったとき、コールには左手の甲にリンと同じ傷跡があったからだ。


「ちなみに僕は右足、フウは右手、ゼンは左腕、ライは右腕にあります」


と、カミンは補足した。


「次に、変身ですがこれが一番厄介です」


カミンはバツが悪そうにエムの変身について説明を始めた。


「エムは変身能力を持っています。そしてエムの周りにいるテンソ。このテンソはエムの瘴気にあてられて進化しているヤツです。こいつらも変身できます。そして変身するものは…戦う相手が一番大切に想っている人です。」


カミンはギリッと奥歯を噛み締めて言った。


「「え……?」」


リンとユウは同時に驚いた。


(まさかお兄ちゃん、お父さんかお母さんの姿になったアイツらと戦ったの!?なんて卑怯な…)


リンはそう思ったら、涙が出てきていた。


(姉さん…辛かったよな……アイツっ。本当に許せない!!!っ─ギリッ─)


ユウは奥歯を噛み締めた。


「お気持ち察します…。しかし、いざ戦うときには作戦はあります。それは―」


「ちょっとー。カーミーン!話ながーいー!あたしもリンちゃんとユウくんと話したーい」


カミンの話をさえぎって、ライが口をはさんだ。


「…確かにそうね。カミン、作戦は追々お話しましょ」


フウはライの意見に賛成し、カミンに進言した。


「お前の話はいつも真面目で長い。」


ゼンはあくびをしながらカミンに言った。


「真面目……………長い………………………」


カミンはゼンに、はっきりと言われて意気消沈している。


「カミンはほっといてー、リンちゃんとユウくん。居城についてだけど、エムはセントラル村、エスト村、オーヴェスト村、スッド村、ノルド村の森奥に居城があるのは知ってるよね?エムには居城の異動周期があるの。異動の周期は2週間。ここでリンちゃんとユウくんに質問ね。前に討伐に行った場所はどこの村?」


ライは話せたことがうれしいのか、ニコニコしながらリン達に聞いた。


「セントラル村だったわ!」


その質問にはリンが答えた。


「リンちゃん、ありがとう!前がセントラル村だったってことはー…次はエスト村の居城にエムはいるはず!そしてー、その次はオーヴェスト村、スッド村、ノルド村の順番にエムは異動しているの」


ライは得意気な顔をして続ける。


「あとね、エスト村、オーヴェスト村、スッド村にも私たちと同じでエムの調査隊がいるの。その人たちと定期的に会って情報や意見交換をしていているの。んで、ここに帰ってくる前、エスト村とオーヴェスト村の人とは情報と意見交換は済んでいるんだけど、スッド村はこれからなの。だから、もしよかったら一緒に行かない?」


ライはニコッとした笑顔でリンたちに提案した。


「「え?いいんですか?」」


リンたちは顔を見合わせライに聞いた。


「もっちろん!大歓迎だよ!みんなエムのこと憎くて倒したい人達だから。それはリンちゃんもユウくんも一緒でしょ?」


ライはニコニコと2人に顔を近づけて聞いた。


「「もちろんです!」」


リンとユウは即答した。


「決まりだね!このお茶を飲んだら行こっか!」


そういうとライは、コップに入ったお茶を一気に飲み干したのであった。






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