4話 山頂にいる4人組1
山頂に行くまで3日かかった。コールの話によると山頂までに半日かかる予定だった。
しかし、その道のりには魔物がたくさん出てきた。最初は倒していたが数の多さにキリがなくなってきたので、体力の温存を優先した道のりを選んだためだった。
「「や、やっとついた……」」
2人とも疲労困憊だ。
「─コンコンッ。こんにちはー!誰かいらっしゃいますかー?」
「はーい!」
中から女の人の声が聞こえ、パタパタと音が聞こえた。
「あら!リンさんとユウさんね!まってたわ!あがってあがって!」
雰囲気の明るい女性がリンたちを出迎えてくれた。
─
客室に案内されて、出迎えてくれた女の人と他の3人も客室に入ってきた。
「改めてこんにちは。私の名前はフウよ。よろしくね」
みんなが座ったところで、出迎えてくれた女性が口を開く。
「俺はゼン。よろしく。」
「僕はカミンです。よろしくお願いします」
「あたしはライ。よろしく」
他の三人も自己紹介した。
「改めまして、リンです。そしてこちらはユウです。よろしくお願いします。…ところでフウさん、なんで私達の名前を………?」
リンはさっき自分達の名前を呼ばれたことを思い出し、フウに聞いた。
「あぁ。コールさんから手紙をもらったの。そちらにリンさんとユウさんが行くから、よろしく頼むってね。」
「!?……なるほどです」
リンは驚きながらも納得した。
「で?話はだいたいコールさんの手紙に書いてあったけど、まずはリン…自分のこととアイツのことで知っている情報を俺たちに話せ」
次に口を開いたのは、ゼンだった。少し口が悪い。
「えっと……」
そう言ってリンはこれまでのことを全て話した。10年前に自分の両親がエムに殺されていること。討伐隊にいたころの話、自分が隊長だった話、兄が率いる討伐隊と一緒にエムを倒しにいったが右目を貫いただけで、エムを討伐できなかったこと、エムと戦ったときに受けた攻撃、エムが言っていた"変身"、そして呪いのことを話した。
「へぇー。そんな若いのに隊長だったんだ…すげぇな。」
ゼンはリンが隊長だったことに驚いてる。
「いえ、そんなことは………」
リンは突然誉められてあたふたしてる。
「まぁいいや。次、ユウ」
リンがあたふたしているのをスルーし、ゼンはユウにもリンと同じことを聞いた。
「はい…」
返事をしたユウは、リンと同様にこれまでのことを話した。5年前に薬草を取りに行く途中、エムと遭遇し、攻撃され死んだと思っていたら、生きてたこと。そして老けないことを不思議に思い攻撃を受けた右肩を見たら、傷が消えていなかったので、自分は呪いを受けたのだと気づいたこと、リン率いる討伐隊隊長補佐だったこと、エムが居城を5ヶ所持っていることを話した。
「なんだぁ。お前、部下だったのか。てっきり恋人かと、思ってたよ」
ゼンはユウとリンの関係性が気になっていたらしい。
「こっ、恋人!?」
ユウは顔を真っ赤にしている。
「ユウは頼れて、私の大事な元部下で友達です!」
リンはキラキラの笑顔でゼンいった。
(ぐはぁ!!!)
ユウは心の中で傷ついたのであった……
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