5話 居城へ

─翌日



指令によるとヴァンパイアエムはシックフォレストという森奥に居城があり、そこをアジトにしているらしい。




─道中


「なんで、こんなにテンソがいっぱい現れるんだ!?」


「これで何回目ぇ?」


「前回よりまた強くなってる…」


「このまま魔力全部消費しそう…」


テンソが大量に出没している状態だ。

隊員全員は討伐にあたっているが、何回も出没するということや数の多さ、予想外の強さにより、弱音を吐きはじめている。


「お前ら、口動かすより魔法に集中しろ!倒せるものも倒せなくなるぞ!!」

「みんな!数は確実に減ってきてる!もう少しだよ!頑張ろ!」


ランとリンは隊員の士気をあげるため励ましながらテンソを倒していった。


((しかし、確実に数は減ってきているが、エムのもとにつくまでに戦力が保てるかわからないな(わ)…))


ランとリンは同じことを心配していた。


「ッ─リン!まだ魔力に余裕はあるか!?このままだとキリがない。まとめて頼む!」


「私も同じこと考えてた!いいよ!ここは私任せて!」


リンはそう言うと目を閉じた。そして杖を地面にさして呪文を唱え始めた。すると、真っ白い光とともに円が広がる。残りのテンソをすべて包み込み終えたとたん………。


「くらえ!グローリー!!!」


リンは叫んだ。

同時に円の中に捕らえたテンソは円とともに綺麗に殲滅した。


「ふぅっ!完了かな?」


リンはあっけらかんとした表情で言った。


「すげえ。これがリン隊長のグローリー…」

「綺麗だった…」

「あぁ初めてみた。きれいな光に包まれて心が洗われると思ったら最後。そのときには魔物は殺られてるという……」


隊員たちはリンのグローリーをみて思わず、言葉をこぼしていた。


「リン!?また、精度あげたんじゃないのか!?すごいなぁ!!」


ランもおどろいていた。


「っ─まぁね!笑。でもお兄ちゃんと比べたらまだまだだよ」


ランに誉められるとは思っていなかったリンは一瞬驚いた。



「そんなことない。すごいよ。リン、覚えてるか?リンが最初グローリーを使ったとき、倒れたこと。今回もそうなるんじゃないかと正直心配していたんだ。でも、頼んでよかった!ありがとう。助かった!」


ランは笑顔で言った。


「もう!お兄ちゃん、それ何年前の話!?私が隊長になってすぐの話じゃん!また心配性でてきてるし……」


リンは少しうなだれながら言った。


「あのぉ、エムの居城に近づけば近づくほどテンソの数や強さが増幅していることが気になります…」


Ⅱ討伐隊隊長補佐のユウが言った。


「確かに…。隊舎近くのテンソはそうでもなかったわ。エムと関係しているのかしら?」


リンは考え込みながら言った。


「それは、直接本人に聞こうぜ……」


ランは何かを見上げながら言った。


「「え?ここって…………」」


リンとユウはランの目線をたどった。






















そう、ランが見上げた先はエムの居城であった。
















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