【第2話】高円凜々花
と、いうわけで、今、
胸が……!
俺を、洗って、いる、のは、俺の、嫌いな、
当たってるって……!
や、それは、シャワーの水?
もう、無理……!
説明は後回し!
★
ふぅ。やっと終わった。目はちゃんとつぶり通し、俺を拾ってくれた金髪の美少女はパジャマを着て隣ですやすやと寝ている。
夜も更けたところで、「天敵」である俺たちの関係を説明しよう。
俺を拾った美少女の名は「
彼女は、天城高校プログラミング科二年の同級生なのだが、俺とは通うコースが違う。
というのも、プログラミング科には、二つのコースがあり、
それが「かぐやコース」と「G+コース」の二つだ。
俺が通うのは「かぐやコース」で、金髪の美少女=高円凜々花が通うのが「G+コース」だ。
かぐやコース、G+コースともに、一つずつクラスを持っており、形式上は、使用プログラミング言語の差ということになっているが、
この二コースには、大きな確執がある。
その原因が
「天城高校文化祭」なのである。
プログラミング科は人数が少ないことから、二コースで1クラス認定されていて、出し物が一つしか出せないのだ。
ということは……
かぐやコースとG+コースによって、「出し物」を懸けた壮絶な戦争が繰り広げられるのだ。
それぞれ、プログラミング言語が違うので、負けた方はプログラミングに関わることができず、雑用扱いになってしまう。
去年は俺たち、かぐやコースが敗北して、涙をのんだ。
今年は絶対に勝たなければならない。
とそう意気込む中で、真横にいる美少女の存在がのしかかる。
俺、赤坂朱羽は「かぐやコース副リーダー」という立場でいることに対し、高円凜々花は、「G+コースリーダー」なのだ。
今年は高円凜々花の苦汁をなめる顔が見たい、そう思っていたけれど
幸せそうな顔をして眠る天敵の顔を見ていると、なんだか、力が抜けてきて、まぶたが降りてきて、思考が崩壊した。
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