八章 「初恋」
僕は何度も何度も昔のことを思い出す。それは君の優しさに癒され、元気をもらいたいからだろうか。
あれは、君と初めて出会った時のことだ。
幼稚園の頃、将来の夢を先生に聞かれた時、僕は何を書いていいかわからなくて困っていた。
まだまだ子供だけど、どこか大人びていて漠然と何かになりたいというのがなかったのだと思う。
僕は少しパニックになって泣きそうになっていた。
その時、君が近くに来て話してくれた。
秘密だよ、さくらは「りおくんと結婚すること」って書いたよ。りおくんもわからないならさくらちゃんと結婚することと書いたらいいよって。責任はとるからって笑顔を見せてくれた。
泣きそうなのが急に止まった。僕は泣き虫だったから、一度泣き出すと普通はなかなか泣き止まなかった。
しかし、このとき君に話しかけられてなぜか 安心できた。
君はみんなから愛されていた。
きっと君は他の子とはどこか違っていたんだと思う
その凜とした顔が素敵で見とれてしまった。
そして、当時は優しさがどんなのかわからなかったけど、こんなに温かいものは初めてだった。
この温かいものに包まれていたいと思った。のちに、この温かさを君にもあげたいと思うようになってきた。
それが僕の初恋だった。
それからずっと他の人を好きになることはなく、君だけを思い続けている。
幼稚園の時から学校が同じで何度も君を見てきたが、君にはいつも僕の心を虜にして離さないものがあった。
君を見れるだけで幸せだった。
話することはあまりなかったが、どこかでつながっているような気がしていた。
君の最大の魅力は優しさだけではなく、君の心が綺麗なことだ。
その心を尊敬している
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