蜂蜜を股間に塗りたくらないか?

「ちなみに三話までやっといてアレですが、本作においてサブタイトルなどただの飾りに過ぎません」


「なんだよ急に……」


開始早々、マイキーが非常な現実を叩き付ける。


「そもそも一話目の『勇者、爆誕』とか、二話の『ガリアの戦慄』とか。ネーミングが異世界モノを好む読者様に媚びまくってるよね。中身はくっそ汚いのに」


 急に真面目な話をし始めるサユキ達。三話目にして早くもネタ切れの要素が垣間見える。


「ちなみにガリアって言うのは昔のフランスで」


「勇者ってのはマイキーのことだ」


「後者のこじつけが酷すぎる!?」


「まぁこのままだと『タイトル詐欺乙』だとか『深夜テンション(ry戦記とか一ミリもタイトル回収できなさそうだな!』とか『これ読むぐらいなら雑草とコミュニケーション取るほうがマシや』とか言われそうなので、タイトル(サブ) 回収していきましょうか!」


 いやぐうの音も出ない正論だろうが──そう思った他の二人であったが、もうツッコミを入れる気力も無くなってきていたので、仕方なくそれに応じる。


「ちょっと待て。股間に蜂蜜を塗りたくるんだよな」


 ライデンが、今更なことを呟く。


「はい。それがどうかしたのですか」


「それして何が面白いんだ?」


「それは決まってるじゃないですか。……ええと、それはですね……」


「……」


「……」


「──ええと、まぁ、……そんな感じです」


「やっぱ意味ねーのかよ!」


「分かりきってたことでしょ……」


 そもそも、何も物語が進まないままに蜂蜜を股間に塗りたくり始めるのはいかがな事か。


 ただでさえ、開始数行で脱糞していたド十流ギャグ小説なのだ。さすがにハニポケチャレンジ(蜂蜜を股間ポケモンに ryの略) はまずい。ヨムカクから追放されてしまう──


「ネタ切れはギャグ小説の定め、だな。やはりバカテスや賢勇者は偉大だった」


「シコルスキに関してはマイキーと話し方がそっくりなんだよなぁ」


「それについては触れないで下さい……ちゃんと全巻持ってるから許して」


「意図的に似せたみたいな言い方すんな! あと全巻っつっても二巻だけだろうが!!」


「それ更に喧嘩売ってない!? 三巻はハーレー彗星が観測される頃(2064年)までに発売されるらしいから!!」 ※2020年に無事発売しました。


「賢勇者と深夜戦記じゃカレー味のカレーとうんこ味のうんこぐらい差がありますからねぇ あっ、カクヨムはうんこ味のカレーですけど」


「ガチで怒られちまえ」


「プロ作家様だけでなく天下のKADOKAWAにも喧嘩を売るとは……さすがは『ネット小説界の恥』と呼ばれし作品です」


「恥というか認識すらされてねぇけどな」


「そもそもカクヨムはたくましきち○ぽKADOKAWAが運営してますからね」


「あの、そろそろクエスト選ばない?」


 サユキが困惑していた。脱線し続けて、最終的には地雷を踏み続ける暴走機関車深夜(ry戦記、読み始めてしまったからにはもう引き返せない──


「あ、良さげなクエストみっけ。『土居さんを救え! 報酬:80万ドール』だって。これやってみようよ」


 サユキは強引に物語を進めようとしていた。他の二人も、空気を読んで会話に応じる。


「土居さん……?」


「誰やねん」


「まぁ助けるだけなら私達なら余裕だし、行くだけ行ってみない?」


 首を傾げた二人だったが、サユキの熱意に背中を押され、共に任務達成へと旅立つこととなった。


 

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