第4話 引き離すもの
雄二宅
雄二:「ん? 親父!? 兄貴? なんでここにいるんだ!?」
父 :「お前を連れ戻しに来たんだ」
雄二:「後継者のため…?」
父 :「それ以外何がある。」
雄一:「雄二…」
雄二:「おれは 帰らない 後継者にもならないし、 お見合
いもしない。」
父 :「そうか。なら 無理やり連れて帰るだけだな」
美香:「雄二君 ごめん 遅れた… 雄一君に、雄二君のお父さん?」
父 :「君が…美香ちゃんか… 単刀直入だがお願いがある。 雄二と縁を切ってくれ!」
美香:「え…」
雄一:「おい! 親父! 俺たちの目的は雄二を連れて帰ることだけだろう! 美香ちゃんを巻き込む必要はない!」
雄二:「兄貴… 兄貴も親父についていたのか。」
雄一:「そう…なんだ。 すまん」
父 :「お前が謝る必要はないだろう 雄二がすべての元凶なんだからな」
雄二:「なっ」
父 :「お前がおとなしく帰るのであれば何もしないが おとなしく帰らないのであれば 犯罪を犯してでも連れて帰る。」
雄一:「雄二。 おとなしく帰ってくれないか。」
美香:「私 気にしないよ。 雄二が帰っても。 だから お父さんの言うとおりにしてあげて?」
雄二:「…」
雄一:「雄二。」
雄二:「…わかった。 帰るよ」
父 :「そうか。じゃあ明日に出発だ。」
次の日 東京駅
美香:「ちょっとの間だったけど 楽しかった。 またいつか会えたら」
雄二:「ああ そうだな ありがとう。 じゃあ 行くよ」
美香:「うん。」
父 :「では。かえるか」
雄二:「ああ」
美香:「…」
美香:「雄二君! 大好き!」
雄二:「! …」
雄二:「俺も。」
一週間後
由美:「やっほー 美香! また来ちゃった!」
美香:「やほー 由美ー」
由美:「ところで 最近雄二君とどうなの?」
美香:「それが… 大阪に戻った。」
由美:「え!?」
美香:「雄二君のお父さんがきて…」
由美:「そっか。 ごめん」
美香:「いいよ べつに。 悲しくもないから もともとそういう関係じゃなかったし、」
由美:「何が 悲しくない なの? 涙が出てるじゃない」
美香:「それは 目が痛いだけだよ。」
由美:「美香。 相談したいことがあるなら言ってね?」
美香:「ありがとう 由美」
また長い年月が過ぎ 一年後
ニュース
今日 オリソンの社長が次男である木村雄二さんに引き渡されました。 これからこの会社の発展に期待です! そして オリソンが東京に進出し始めました 一店舗目は渋谷に出店するそうです!
美香:「雄二君もついに社長か。 隣にいるお嫁さんも素敵だし。 私には到底見合わないよ」
数カ月前 雄一宅
明日香:「雄一君!」
雄一 :「? どうしたんだ 急に?」
明日香:「美香と雄二君を 裏切ったわね?」
雄一 :「あ… ああ」
明日香:「ああ じゃないわよ 二人が引き離されて 悲しい思いをしてるのよ? どうしてこんなことを…」
雄一 :「…」
明日香:「何か言いなさいよ!」
雄一 :「そうか。 俺が悪かったんだ。」
明日香:「は? いまさら何よ!」
雄一 :「俺は悪い男だ 帰ってくれ。」
明日香:「どうして!? どうしてあんなことを 自分が悪いやつだからって 言って済む問題じゃないんだよ?」
雄一 :「そうだな。俺は弱いやつだからか? 弱いからか?」
明日香:「そういう問題じゃ‥‥」
雄一 :「そういう問題なんだ! もう帰ってくれ」
明日香:「雄一君・・・・ 言い過ぎたかな。 ごめん… 雄一君も後悔してるんだね。」
続く
番外編
6年前
雄一:「親父…」
父 :「なんだ? お前は悪いやつでもあり弱いやつでもあるんだ 私の子供でもない お前の母親の連れ子だから 許してやるんだ! まさか人を殺すとは。。。」
雄一:「しょうがなかったんだ。 けんかになっていつの間にか…」
父 :「おまえは いつも惨めだったんだ 家から出てってほしかった。 人を殺してしまったからには。 警察には言わない マスコミにもばらさない その代わり家から出ていけ!」
雄一:「ああ。 そうしてやるよ 二度と戻ってこない!」
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