第20話

食事を摂り終え、絆と拓海がバドミントンをしている最中にスマホから着信音が流れ、画面にはミズキ先輩と表示されていた。

スマホを耳に近付け、通話を始めた。

「もしもし。ミズキ先輩、どうしたんです?」

『佐久間君。今から会いたいよ、佐久間君の家にお邪魔していいかな』

「今からですか。外にいるんですけど、すぐに帰るので大丈夫です」

『ごめんね、佐久間君。無理なら良いんだよ、佐久間には迷惑ばかり掛けているんだし......これ以上──』

「迷惑だなんて思ってないですよ、ミズキ先輩。先輩を悲しませるようなことをしたくないんですよ、じゃあ切ります」

通話を切り、バドミントンに夢中な絆に声をかける。

「絆ー、もう帰るぞ。ミズキ先輩が訪ねて来るから、切り上げてくれよ。拓海はどうする?」

「ええー。しっ仕方、ないか......分かったよ」

「帰るよ。ミズキ先輩によろしく言っといて。あわせる顔なんてないし......それにミズキ先輩は見たくないだろうしなぁ、こんな奴の顔なんて」

じゃあね、佐久間と絆さん、と言い残しラケットを返して、姿を消した拓海。

ミズキ先輩は拓海のことを嫌っているわけなんて──。


帰り支度を済ませ、体育館を後にした俺と絆。

外の熱気に体力を奪われながら、帰宅した。


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