第11話
放課後。
俺は、すぐに自宅に向かう。
部屋の扉をノックする。
「ミズキ先輩。入っていいですか」
部屋から返事は返ってこなかった。
扉を開けると、ミズキ先輩が抱きついてくる。
「佐久間君、佐久間君、佐久間君。早く会いたかったよ、ううぅああぁぁー」
「ずっと心配だったんです、ミズキ先輩が。あなたに泣き顔なんて似合わない...どうか泣きやんでください」
彼女をベッドまで連れていき、抱き締める。
夕飯を皆で食べた。最初、リビングで食べることを嫌がっていた彼女だったがなんとか一緒に食べることができた。
風呂からあがった俺たちは寝ていた。
指を絡めていた俺たち。
「佐久間君しかいないの、付き合ってよ。お願いぃ、だぁからぁ」
「付き合う...か...、昔のこと、話したよね。ミズキ先輩」
優しい声で言う俺。
「うっう...ん、佐久間君のたいせ─」
「その子、とは...付き合ってたんだ。とても好きだった、その子のことを。俺は助けられなかった、もう大切な人を失いたくない...先輩と付き合って、もしあなたが居なくなったら俺は生きられない」
重い空気が部屋に漂う。
「ごめん...なさい。佐久間...くぅん」
いつの間にか、眠りについていた。
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