第3話

妹の絆と出かけた翌日の日曜日。

朝早く目が覚めてしまった俺はテレビゲームをしていた。

画面には操作している金髪の少年が剣でモンスター達を倒していくのが映し出されている。

俺は、おりゃー、あと少しなどと声を出していた。

ゲームに夢中になっていた俺は気づかなかった。あることに。

やっていたステージがクリアして音楽が流れてコントローラーを床に置いたと同時に右耳に甘い囁きが聞こえた。

「あにぃきぃ」

俺はふぇっ、と声を出してしまった。

俺の身体に抱き付いていた妹。背中に絆の成長した大きな胸が当たっていて、声と合わさり少し興奮してしまう。

「きっ、きず、な...少し離れてくれないか」

絆は返事をせず、横にあぐらをかいて座る。

短パンから白く透き通った太ももが出ていた。

「ゲーム、私もしたい。兄貴」

「えっ、ああ。はい、絆」

俺は、床に置いていたコントローラーを絆に手渡す。

絆はコントローラーを受け取らず、恥ずかしそうに身体をモジモジさせ、小さな声で言う。

「そうじゃ、なくて...兄貴と一緒に」

「俺と一緒にっ!絆、なんかあったか」

「いっいいじゃん、兄貴」

「そう言うなら、するか。一緒に」

「う、うん」

俺は、やっていたゲームをやめ、二人でできるゲームを始める。

二人して夢中でゲームを昼過ぎまでやっていた。

部屋に母さんがきて、仲がいいのは良いけど早くごはん食べにきてよと言って戻っていく。

「そろそろいこっ、兄貴」

「ああ、行くか」

俺達はコントローラーを置き、リビングに向かう。

俺達は昼食のうどんを啜っている。

俺の正面に座っている母さんが頬杖をつきながら聞いてくる。

「あんたたち、そんな仲よかったっけ」

「仲よくなんか、ないしっ」

小さく返す妹。いつもと違う反応だ。

ほんとにどうしたのだろう、絆は。

「今日だけじゃない。そう見えるのは」

「ふーん。仲よくしなよ、家の中の雰囲気が悪くなるから」

俺達は返事を返さず、うどんを啜る。

「少し寝てくるから、どっちか洗っといて。できたら夕飯しておいてほしいな」

母さんは返事を返されないように急いで部屋に行った。

はあ。簡単なものにしよう、夕飯は。

食器を洗い終えると、

「あと少しだけ、したい...」

と、絆が言う。

「やるか」


部屋でゲームを再開する。

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