👻━━午前四時━━(超短編)

 麻里子が近ごろ気になっているのは、午前四時に決まって目が覚めることだった。


 今日もまた同じ時間に目が覚めた、枕元に置いてあるスマホを手に取りため息をつく。


 トイレに行って、冷蔵庫の明かりで飲みかけのペットボトルを持って、ベッドに戻ると飼っている猫がある一点を見ていることに気がついた。


「わさび、どうしたの」と保護猫だったサバトラの猫に声をかける。


 枕元にあるライトしかつけていない部屋は薄暗く、照明のリモコンを探して慌てて天井のライトを一番明るいものにする。


 わさびはようやくを見るのをやめた。


 麻里子は幼いころ夜が来るのが怖かった、隣で寝ているはずの母親の顔さえいつものように見えないし、部屋の中に蠢く何かにいつも怯えていたし毎晩のように夜泣きをする子どもだった。


 大人になって、そんな経験をすることは無くなっていたのに、このところ毎日のように午前四時ピッタリに目が覚める。


 麻里子は知ってるのだ、丑三つ時の午前二時よりも、黄泉の国と一番近いのが午前四時だということを。


 中学生の頃、何度も経験していたのも決まって午前四時、同じように目が覚める、いつも何かの気配を感じていた、そんな時は枕元のライトは点かない。


嫌な記憶……思い出したくない記憶……

たくさんの手といくつかの目



 母親を起こして、布団に潜り込んだことを思い出す。


 でも今は、一人暮らしの部屋には自分しかいない。


 猫はあの世とも自由に行き来ができると聞いたことがある、そして飼い主を守ってもくれるという。


 時折、わさびは何かを目で追っている時がある。

 それが何なのか知りたくもないけれど、きっと幼い頃に何度も見ていた黒くて不気味な目をしたなのだ。


 今夜もきっと午前四時に目が覚めるのだろう。











【~完~】


 ◇あとがき◇

 これは完全に実体験です。

 中学生の頃は度々真夜中に目が覚めてライトをつけようとすると付かないことが多かったです。

 朝になると普通につくのですけどね。

 真夜中に書いていたら、何かがコトリと音をたてました。

 ひぃ~!くわばらくわばら


北極ポッケさん

自主企画にお誘い頂きありがとうございます。

やっぱりホラーは無理ですぅ~😣

でも楽しく書くことが出来ました。

読んで頂いた皆さまありがとうございますo┐ペコリ


エッセイにも書いてましたが、部屋の隅に人間ではない何かがいつもいました(昼間もいるけど夜は特に感じてました)それが怖くて泣いてたなぁ~なんて思い出しました。


猫を飼ってる皆さま、猫ちゃんたちに感謝してください。

きっと守ってくれていますよ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

👻夏はやっぱりホラーでしょ! あいる @chiaki_1116

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ