第12話 新しい出会い
好きで好きでおかしくなっていた。
その頃蓮に「お前、まじで大丈夫か?」とめちゃくちゃ心配された。
『大丈夫だよー!』とあっけらかんとしていたが、明らかに痩せていく私を見てられなかったらしい。
「よかったらさ、俺の友達にあってみない?ちょっと気分転換!」
『でも、智が…』
というと、「お前、それがだめなんだって!とにかく飯だけ、な?」
あまり気分はならなかったけど、会うことにした。
ーーー「俺らと同級生なんだけど歳は一個上の茂!りな、仲良くしてよ?!」
蓮から紹介を受けた。
茂は一個上なのもあって、落ち着いた感じだった。
智よりもガタイもよく、背も高くて、ちょっと圧倒された。
『どうも。』
「りなちゃんだね、蓮から色々聞いてるよ!
話聞いたりとかいつでもできるから、なんかあったら連絡ちょうだいね!」
自然な形で連絡先を交換した。
「だけど、俺ほとんど携帯とか使わないんだよねー!
できれば会って話したりとかがいいんだけどね!」
と言っていて、実際本当になにも連絡はなかった。
智とは毎日毎日メールとかしていたので、紹介された男の人がこんなに連絡してこないのが不思議で、私自身もすっかり忘れるほどだった。
まぁ、別に男女の仲になりたいわけじゃないし、いっか。
そんな時急に電話がなった。
「明日なんだけどあいてる?!」
『うん、あいてる!なに??』
「お茶でもしよーよー!おすすめのCDがあって、りなちゃんに聞いて欲しくてさ!」
そのまますんなりと待ち合わせ場所と時間が決まった。
智とはいったことのないようなお洒落なカフェでドキドキした。
翌日、茂はそのカフェにあらわれた。
「いやー、こんなとこ男一人じゃ入れないだろ?いってみたかったんだけどさー、ちょうどよかったー!」
と嬉しそうに言ってた。
『他にもいきたいもこあったら付き合うよ?私でよければ!』
「本当に?!
俺、今まで彼女とかいたことないからさ、こういうとこ行きたくてもいけないんだよー!」
『えー、彼氏がいてもこんなとこつれてきてもらったことないしー!』
「本当に?!
まぁ女友達も多くないからりなちゃんいてよかった!今度ランチも食べに来ようよ!」
『うん!いいよー!!』
茂は私の知らないことをたくさんしっていた。
おしゃれなカフェ、ランチ、音楽、そして本。
「あの小説がおもしろいから、今度貸してあげるよー!」
「あのCDもってるから貸してあげる!聞いてみてー!」
そんな感じで会う回数も増えていった。
新しい景色や新しい知識、本当に新鮮だった。
今まで智とはラブホか家でだらだらすごすことがほとんどだった。
だから誰かとお茶したりランチしたり、ずっとおしゃべりしたり、そんな関係がとても心地よかったし、好意を抱くまで時間はかからなかった。
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