第8話 受験
会えばするだけのデート。
イベントらしいイベントもほとんどやった記憶はない。
誕生日もクリスマスも記念日も…。
なぜかその辺りになるとまた連絡が来なくなってそのまま当日を迎え、しばらくしたら連絡が来る。
そんなおかしな状態だった。
私は智の連絡を待つために携帯にかじりつき、それなりの成績だったのに、どんどん成績はおちていった。
このままでは大学は難しい。
蓮にも相談していた。
このままで大丈夫なのかなー。
りななら大丈夫だよ!一緒頑張ろう!
なんていいながら私たちもしょっちゅう一緒にいた。
本格的に受験シーズンになったころ、智のご両親は智のことを本気で心配していた。
行く気のない私立大学をたくさんすすめてきたり、知らない間に受験の手続きをしたりしていた。
そんな熱心なご両親のことが嫌になってまた私のところにやってくるようになった。
「りな、同じ大学行こうよ。そしてずっと一緒にいよう。」
『うん、そうだね!!がんばる!!!』
特に会っても勉強はしてなかったけど、なんとなくそんな夢を持っていた。
同じ大学を一緒に受験しに行ったりもした。
同じ高校にはいけなかったけど大学には一緒に行きたい。
同じキャンパスでいつも一緒にいたい。
そして見事に国立大学に仲良く落ちてしまった。
智の家は比較的裕福で私の家はそうでもなかった。
だから私立にはいけないと散々親に言われたけどなんとか短大ならと承諾してもらい、晴れて智と同じ学校に通うことになった。
智は併設の大学生になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます