第4話 夏祭り
その日は朝から智のところまでバスででかけた。
花火は夜からだったけど、長い時間一緒にいたくて朝から出かけた。
お祭りは昼間も賑わっていて、人もたくさんだった。
簡単なフードコートで昼食を済ませたあとに、どこにいく??という話になった。
『私はこの街のことよくしらないからなー』
「じゃぁさ、俺の行きたいところ、いってもいい?」
『? いいよ!』
しばらく手を繋いで歩いた。
智は無言で歩いていた。
ついたところは小さなラブホテルだった。
初めて入るホテルにドキドキしたし、これから起こることに胸を弾ませた。
小さな窓のフロントで鍵を渡されて部屋に入った。
そこからのことは本当あっという間に過ぎていった。
体の相性もすごくよくて、やっぱり智は運命の人。
大好きな人。
愛してる人。
本当にそう感じた。
やっと一つになれた。
「早くりなと一つになりたかった。大好きだよ。」
智の甘い声がとても心地よかった。
何度も何度も愛し合った。
時間いっぱい一緒にいた。
「そろそろ花火みにいこっか!」
『うん!!』
愛が深くなった私たちはずっと一緒にいたくて、離れたくなくて、暑い夏の日なのにぴったりくっついていた。
花火があがる時間が永遠に続けばと、本当に願った。
「帰りたくないなー。」
『そうだね。』
帰りが近くなると口数が少なくなっていった。
「あ、門限!!」
その日、花火が終わるまで外にいたら門限を過ぎていたのだ。
「もう、俺寮に帰れないんだよね。
ねー、りな?泊まって行かない?」
『え?!どういうこと??』
「俺さおばさん家にとまるからさ、りなもおいでよ!」
『いや、おばさんって誰よ!』
「母親の親戚!おばさんから寮にも連絡してもらうからさ、ね、おいで!!」
智のいうことはよくわからなかったけど、ずっと一緒にいたいって気持ちが強くて私も泊まることにした。
私の親にももちろん嘘をついた。
初めて親に嘘をついた。
それくらい好きなんだってそのときは思っていた。
嘘をついたり親を困らせることがどんなにいけないことか、そのことに気がつくのはずっとずっとあとのことなんだけどね。
その日連れて行ってもらった所は本当におばさんの家で、部屋は好きなように使ってねー!と気さくなおばさんがでてきた。
「帰れないときはよくおばさんにお世話になるんだ!」
でも付き合って2ヶ月くらいの彼女をよくいれたなと、ちょっと不思議な体験でした。
そのおばさんの家でもくっついて寝ました。
さすがにおばさんのお家だったので色々はしなかったけど、キスはたくさんした。
大好きな智のキス。
誰にも渡したくない、私の愛しい人。
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