第3話 遠距離

私たちは時間があればメールをした。

電話もした。


本当にたくさん。



智は私立高校の寮に入っていて、地元は一緒だったが、会うのには高速バスで1時間以上かかった。


「会いたいね」


智はよくそう言ってくれた。


寮の門限とか、決まりとかもあって、電話も誰もいない屋上とかでこっそりしていると教えてくれた。


智とのおしゃべりは本当に楽しくてその時間は大好きだった。


初デートはプリクラとって、マックでお昼食べて、おしゃべりして、キスをした。


初めてではなかったけど、とっても心地の良いキスでお互い唇を離さなかった。


時間いっぱいキスをした。


高校生の寮生活、智はきっとその先もしたかったと思う。

だけど、しなかった。

それが智の愛情なんだと思う。


それから何度かデートしたけど、いつもそのコース。


プリクラもいっぱい増えた。


かっこいい彼氏。

自慢の彼氏。

大好きな彼氏。

隣で歩くのが私も誇らしかった。


「ねー、りな?夏祭りいかない?」


智からのお誘いだった。


『行きたい!!』


彼氏と夏祭りにいくのは初めてで心が躍った。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る