第3話 この世界の問題

「助けて頂き、有難う御座います」


 魔法少女2人は、御礼を言って来た。黄髪の子は、お辞儀だけした。


「気にするな」


 別に恩に着せても、しょうがないしな。


「しかし、貴方が魔王だと名乗った以上、こちらとしても見逃す訳にはいきません」


 確かに、もっともな意見だった。秩序と平和を守る魔法少女は、立場上そう言うものだからなぁーー。


 そして魔法少女2人は、ステッキをこちらに構えて来た。


「少し待て」

「確かに我は魔王だ、だが人間と敵対するつもりは毛頭ない」

「その保証が何処にあると言うのですか!」


 赤髪の魔法少女は急に声を張り上げた。


「魔王だと、言うのなら人類を滅ぼすはずです」


 決め付けないでーー、内心そう思って話を聞いた。


「私たちは、毎回敵が現れるごとに戦っていました」

「反省していた様子だったので、命までは奪っていませんでした」

「ですが、それを良いことに悪魔達が、人を蹂躙し始めました」

「だから、絶対に今回は騙されないと、この身に誓ったのです」


 それ自業自得だろ。それより、黄色の髪の子はいつ喋るんだろう、もしかしてコミュ......これは失礼な考えを(笑)。

 そう話を聞いていると、脳内に女性の音声が流れた。


「この世界の情報をダウンロードしました」


 この国の名前は、ラウンドクロス帝国。帝国暦120年。

 そして、この国を統治しているのが、第31代皇帝、ステファヌ・アルベルト・レイ(21歳)と言うらしい。まだ、奥さんは居ないらしく、俺と同じ様に独身だ。


 そして、日本と同じ様に国の治安を守る存在は、冒険者ギルドと魔法少女協会だ。冒険者は100年前程は、英雄と呼ばれし存在もいた様だが、今となっては魔物に対抗できる冒険者は、ほぼいない、まー時間稼ぎ程度なら出来るみたいですが。

 冒険者に関しては、なるのは自由で、S、A、B、C、D、Fと、ランク分けされており、現在の冒険者の最大能力の人材は、Bランク程が限界である。

 そして魔法少女協会が生まれた理由は、勿論冒険者が廃れた事もそうだが、少女に魔法の才がある事が、10年前に分かり魔法の適性能力が高い人は、強制的に軍事魔法少女学校に通う事となる。魔法少女にもランクは存在し、冒険者よりもより厳しいランク分けとなっている。SSS、SS、S+、S、S−、A+、A、A−、B+、B、B−、C、D、Fとなっている。

 SSランクとS+ランクは似ている様で、権限や強さまで物凄くかけ離れている。

 ちなみに、平民と貴族など身分は反映されないので、完全に実力主義だ。


 そしてこの赤髪の少女が、マリー・オブ・シュヴァリエ(18歳)。魔法少女ランクB。

 チームステファニーシオンのチームリーダーだ。ちなみに、お守りはクマさんパンツ。

 性格はツンデレで、負けず嫌い。

 

 青髪の少女が、蘭・ルー・ディー(17歳)。魔法少女ランクC。

 チームステファニーシオンのサブリーダー。日本と似た国のハーフで、邪馬連合国の父と、

 ラウンドクロスの母から生まれた子供。性格はボーイッシュで、気が荒い。


 最後は黄髪の少女、セシル・ル・シャンパーニュ(17歳)。魔法少女ランクC。

 チームステファニーシオンの回復役。母と父を幼い頃に、魔物に殺されるという悲惨な事があった。そのせいで、恐怖のあまり性格がコミュ障になってしまった。それでも、魔力が高いと魔法少女にならないといけない。何という、酷な運命なんだろうか。


 そしてこの世界が抱える問題は、沢山あった。

 1つ目の問題は、何故か急に大陸が現れ国が出来、そこで未知の魔法が使われて、魔法使いのアンデットが一部の支配権を力尽くで奪い取ったらしい。

 そのアンデッドは、どうやら別の時間軸、並行世界の日本人【DMMORPGスレイン】の転移者である様だ。時空の歪みによって、呼び寄せられたのだろう。

 その日本人の名は、遠藤 健一(27歳)。ギルドの仲間達と共に作り上げた、魔王城

【DeathInfinity】とNPCを守る為に世界を征服しようとしているらしい。

 プレイヤー時代、元ギルドマスターであった、遠藤 健一は、ギルドの名を自分の名として語っているらしい、「魔王devil amethyst(デビル・アメジスト)」と。

 いつか戦う事にはなるだろう。


 2つ目の問題、この国の人が呼ぶ、天空神殿の存在。これも突如現れた。これは、【VRMMORPG SABRE THE Online】で作られた町ごとこちらに呼ばれたのだろう。

 この中にいるプレイヤーは、生身は現実世界(並行世界)の日本にあり、電子ヘッドギアという物を装着してゲームを楽しんでいる。だが、製作者の笠井 政宗(35歳)の手によって、ゲーム世界で死ぬと、現実世界の電子ヘッドギアのシステムが作動して死ぬというデスゲームだった。

 外部から外す事も出来ず、内部からも出られない、最上階までクリアすれば解放されるという物だった。そして今回の笠井のイベント発動によって、笠井も知らない異世界へと降りて、下にいる異世界人を全員倒さなければ出られないと言うことに、ルールが変わってしまった。

 そこの中にいる1人の最強プレイヤーの剣士、桜島 劉星(16歳)は、好きな人の為にゲームで戦っている、そいつもみんなで帰る為に、もうすぐ嫌でも正義の為、己の為に殺しに来るだろう。こちらも戦いは避けられない様だ。


 3つ目の問題、ウォーレス皇国では、理屈を覆し、全てを崩壊させる魔王と呼ばれる男、崩壊と虐殺の魔王アイザイア・アースデルが動きを始めた、そして召喚術師の手によって現れた、異世界の魔王と名乗る男、そいつは【FANTASYMMORPG ウォーレス】の期間限定イベント公認魔王、でありプロゲーマーの六堂 誠(21歳)、最強の装備と世界大会優勝のスキルでこの町を危機から救ってきた、そこに崩壊の魔王が現れる事になり隣の国である、ラウンドクロス帝国に皆今難民として、避難している。この方も並行世界の日本から来た。


 4つ目の問題、日本と似た国である、邪馬連合国は、現在デヴィンベンジャミン帝国の占領下になっている、もともと日本と同じ様な歴史を持っており、アニメも流行っていたしかし、デヴィン・ベンジャミン帝国の占領下に入った事により、邪馬のアニメは規制され今ではほぼ残っていない、それに怒りを覚えた創作物を呼び寄せる創作物が現れた。 【ヴァイオレットの輝き】と言うアニメの女性主人公ヴァイオレット・リー・キャシディ。このアニメでこの主人公のヴァイオレットは、色々な法則を捻じ曲げる力を持つ、 【無限の乖離】と言う能力でどうやら現実世界に来て、他の作品のキャラ達を世に放出して、世界の限界を超えさせる事、キャラによる世界の破壊、崩壊させる事を目的に現れた悲しき人類悪の出現。

 デヴィンベンジャミン帝国のもう1つの問題、それは死んだとされている、悪逆皇帝の息子と娘達、元ヘクター・デヴィン王子だ、この王子は妹5人と今も暮らしている、妹の自由を守る為に、皇帝を殺して反逆する事を誓い、神からもらった、絶対洗脳オーラを授かり、戦争を始めたのだ。


5つ目の問題、地球と似た惑星【ラースベース】から来た、大きな存在で宇宙を支配し監視する者が、人類の断りを超えた力を持った者が集まったこの世界に降り立ち破壊する為、向かってきているということだった。


6つ目の問題、全く詳細不明なこのラウンドクロス帝国へ、悪魔王を送り込んで来た存在。フロイデンタールだ。


この事を一気に知ってしまった俺は、魔法少女とこんないざこざを起こしている暇は無いと思ってしまった。

その瞬間大きな音が聞こえた。


「ドーンーー」

「きゃーーーー」


Sランク魔法少女パティーが目の前で建物を突き壊して吹っ飛んで来た。

これはマズイと、思いチームステファニーシオンの2人に、破壊神メリーザと破壊神ベアーリングを護衛に付けた。


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魔法少女の世界に魔王がやってきた!? @matudasakuya

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