メデュシアナの戯言（たわごと）

おわりに

　世の中のすべての女性に、きっとメデュシアナは生えているのだろう。嫉妬、やっかみ、そねみ、羨み、焼きもち、羨望（せんぼう）、反感、嫉視（しっし）……。メデュシアナは、時には魅力的に見えるものなのかもしれない。しかし、あまりに執拗であったり傲慢であったりするそれは、時にはメデューサ自身を滅ぼす原因にもなり得るだろう。

　ここに綴られた文章は、恥ずかしながら長年の嫌がらせに対する個人的な復讐でしかない。稚拙で人様の目に触れることなど赤面に値することは重々承知の上なのだ。

　2009年に初めて受話器を取ってから、記憶に残っている月１度のワン切りは軽く５年以上に渡る。この原文をかき上げたのは、2014年。以来、年に一度ぐらいのペースで見直しては加筆と修正を加えて来た。その間、ワン切り電話は月１度から３ヵ月に１度、半年に１度と減少し、最近の非表示着信履歴は靖子以外からの単なる掛け間違えなのだろうと認識するに至っている。

　もう10年になろうかというのに、未だに未練がましく文字にしているなど自分の所業を恥ずかしくも思うのだが、妊娠詐欺などという稚拙な犯罪に巻き込まれる人が一人でもいなくなればとも思い最後まで書き綴ってみた。……と締め括れば良いのかもしれないが、おそらく私にも怨嗟（えんさ）や遺恨（いこん）といった類のメデュシアナが潜んでいるのだろう。

　あぁ、どうか。どうかどうか、貴方が不幸極まりない人生を歩んでいますように。

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　つたない文章を最後までお読みいただき、ありがとうございました。感謝。