第3話 カーマの目的
「で、俺はこれからどうすればいいんだ?」
俺は目を細めてクソ女神、カーマの青い瞳を見る。相変わらず綺麗だ。
「そんなの言わなくてもわかるでしょ? 魔王の討伐よっ」
「いきなりどうしたんだよ、魔王討伐だって異世界転生する前まで嫌がってたじゃねぇか」
「馬鹿なの? ま〇こなの?」
「いきなり会話に下ネタぶっこむな!」
「そこは、熱々のソーセージを穴の穴のにぶち込むって言いなさいよ! この童貞野郎!!!」
「何で、下ネタでキレてんだよっ! あんた頭が最高にイカれてやがる……」
「そう? ありがと」
「もうツッコむのも無駄と思えてきたから話を元に戻すけど、何で一度諦めた魔王討伐を今更やろうって気になったんだ?」
俺的にはココが一番の疑問点だ、カーマはこの世界に深く関わっていると言える。そのカーマが一度諦めたって事は相当な難易度だと頭が悪くても予想がつく。
カーマは一呼吸おいて、
「もちろん決まっているわ! それはあんたが、童貞だからよ!」
「馬鹿にしてんのか? してるんだよ? あぁん?」
俺は自慢げに人差し指で俺を指す女神の頭を指でグリグリと頭の奥深くまで刻むようにこめかみ部分を攻撃した。
「痛ッ! 何すんのっ……って痛い痛い!!! やめろ! やめっ、やめてぇぇぇえぇえぇぇぇぇえぇえ!!!!!!!!」
「もう我慢がならんっ、いい加減にここに転生させられた目的を教えろー!」
「わかっ、分かったから、分かりましたからっ、目的を教えますぅぅぅぅ!!!! 私っ、もう、我慢できないのっっっっ!」
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
「女神に、人間が歯向かったのはコレが初めてよッ、初めてを奪われた女の気持ち、少しは分かったかしら?」
「おまえぜんっぜん反省してないな! まぁ、もう性格からヤバい奴だって理解すればいいか」
俺は、美形の顔を見ながらそうカーマに告げた。カーマは不満そうにこっちを見ていたが続けてこの世界をどうしたらクリアできるのか、そしてカーマの真の目的を俺は聞く事になる。
「話を変えて、私の目的について話していきたいと思うの」
「あぁ、頼む」
俺は唾を呑んで、その回答を待っていた。
「ズバリ、私の目的は魔王を倒すことにあるわ!」
「は? また、こめかみでお前の脳みそ潰してやろうか?」
どうやらこのクソ女神は脳みそまで腐っていたようだ。
「ま、待ってください!!! 早まらないで下さいっ! これは、私がゼウスの怒りを買ってしまって勝負に負けたペナルティと関係があるのよ!」
「興味深い、聞こうじゃないか」
「待ってくれてありがとう、それじゃ続けさせてもらうわ」
カーマは一呼吸おいてから、
「ゼウスの勝負に敗北した私は、罰として天界から降ろされてあなた達人間の未練を晴らすために異世界という場所を神がお創りになったの。私の仕事は端的に言えば案内役みたいなものね、この今いる世界に行く者は決まって童貞や処女なの。何でか分かるかしら?」
「卒業してないからじゃないのか?」
「正解! そう、人間の未練を晴らす場所は人間の未練の種類のよって違ってくるの。この世界は私に任されるというか、罰だから童貞や処女が行く世界になっているの」
「じゃあ、俺がこの世界に呼ばれたのは……」
「童貞を卒業できない未練があったからって事!?」
「大正解。で。私が案内役になっているわけ」
「そうか、確かに死ぬ前まで卒業したいとか夢見てたし……」
「それで、あなたに魔王を討伐してもらいたいの」
「魔王討伐をなんで俺がやらないとダメなんだ!」
「それは、私と貴方が解放されるからなのよ」
「かい……ほう?」
何を言っているんだ? こいつは……
「まぁ、一種の復活機能みたいなやつよ。魔王を討伐すれば、なんと! 復活することが出来るの!」
「え? マジで!」
「本当の事よ、魔王を討伐すればあなたは元居た世界にデメリットなしで戻れる。私はこのクソ面倒で拷問みたいな生活から解放される……どう? おいしい話でしょ?」
「最後のセリフは、不満だだっもれだったけど。悪い話では無いな!」
「そうでしょ!」
「んじゃあ、俺ってどんなステータスになってんの?」
「気になる?」
カーマはブロンドを得意げに撫でると、
「聞いて驚かないでよ、貴方の童貞力は30よっ!」
「よし、こめかみで貴様の脳みそを溶かして言葉を喋れないようにしてやろう」
「すみませんっ! マジで許してくださいっ、、、、」
「冗談だよ、話を続けてくれ」
「いままで貴方みたいに可能性を秘めている童貞力を持つ人間がいなかったのよ、最初、私はゼウスを恨んで絶対にこの世界から解放されて仕返しをしてやるって思っていたけど、私の能力も使えないし、童貞力24を超える猛者が現れなかった。諦めていた時、ついにあなたを見つけたの!」
「そうだったのか……」
カーマはカーマなりに努力をしていたんだな、俺もクソ女神って言っていたけど彼女は彼女自身、自分のできる事をしていたんだ。
「……それでね、貴方を見つけて思わずトラックで轢いちゃった、あははははははは」
「あははははははは、トラックで轢いちゃったか、轢いちゃった? 轢いた? ひ、い、たァァァァァ?」
「今なんて言いました? 聞き間違いでは無くて? 俺は結構聴覚には自信があってね、そこんところはっきりしましょうか、女神カーマ様っ」
「お、おこ、怒らないでくださいよ先輩っ、とんだ出来心ってあァァァァァ!!!!!!!!!!!」
俺はその瞬間女神であるカーマをあらゆる手で懲らしめた、何故か後悔はしていなかった。
♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦ ♦
「君は何のためにこの異世界に行く?」
「俺は魔王を討伐して、現実世界のリア充どもに復讐してやる!」
「分かった、君を巻き込んだんだ。私も魔王を討伐した時は現実世界の君にも協力するてか、します! させて下さい!」
「うん、分かった良いよ。まぁ、魔王を討伐した後、現実世界に戻るときは時を巻き戻してくれるのなら安心だね」
「よろしく、カーマ」
「あぁ、よろしく誠」
互いに握手を交わした。
ここから俺の最高にアホでバカで下ネタな異世界生活が幕が開けた。
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