第5話

アーサー「お、あの音からして、何かの建物に当たったようだな。シヴァ!一気に近づくぞ!」

アーサーが言うと、シヴァがアーサーを掴み、高速で走り出した。走る途中で何発か、弾丸が飛んできたがシヴァが手を振ると全て破壊された。

シヴァとアーサーの周りには弾丸の破片が飛び散っていた。

その頃シモ・ヘイヘ達は...

シモ・ヘイヘ「龗神さん、あいつらこっちに近づいてるみたいです。」

龗神「なるほど...距離を詰められてしまっては、こっちの分が悪くなる。距離を離す、もしくは、こっちに近づく前に倒すか。後者は不可能だろう。だが、不可能を可能に変えるのが神の仕事だ。」

シモ・ヘイヘ「さっきから何発か撃ってみてはいるんですけど、全て破壊されてしまってます。」

龗神「では、この技を使うか、クリエイトアイスゴーレム。」

龗神はそう唱えると地面に手をついた。すると地面から巨大な氷の巨人が現れた。形はガタイのいい人間のようだが、顔はなく少し気味が悪い。

龗神「僕の可愛いゴーレムちゃん!あいつらを食い止めて!」

龗神が指示するとゴーレムは見た目とは想像できない速さで走っていった。

ゴーレムがアーサーの場所に到着した。

アーサー「なんだ?このバカでかいのは?」

アーサーはゴーレムに飛び掛かり、ゴーレムを切りつけようとしたが、ゴーレムの手によって吹き飛ばされた。

アーサー「グハッ!」

アーサーの口から血が飛び散る。

アーサー「内蔵を損傷したか...」

そこにシモ・ヘイヘの放った弾丸が届く。

シヴァ「そうはさせないぞ。」

龗神「おっと、それは僕のセリフさ。」

シモ・ヘイヘ「あれ?龗神さんは...」

龗神はゴーレムを指さし話し出した。

龗神「僕はあいつに乗ってやって来たのさ。じゃあね、シヴァ君、君は神の世界でとってもお世話になったね。今お返ししてあげるよ。アイスバースト!!!」

上空から大きな氷塊が降ってきた。

シヴァ「俺も舐められたものだな。この程度のもの!」

シヴァが氷塊を破壊する。すると龗神がニヤッと笑った。

龗神「君ならきっとそう来ると思ったよ。脳筋が。」

破壊された氷塊はバラバラになり、落ちてくる。そして氷塊は地面の雪を舞いあげた。

龗神はその雪に紛れシヴァの後ろに回る。

龗神「アイススピア」

氷の槍は、シヴァの体を貫く。シヴァは息絶えた。

龗神「さて、アーサーはどうなったかな?」

龗神がアーサーの方に目をやると、アーサーは剣を取り出し弾丸を切っていた。

龗神「おっとまだそんな力が残されていたかゴーレム、トドメをさせ。」

ゴーレムが手を振りかぶってアーサーに殴り掛かる。アーサーは剣を鞘に収めた。

龗神「諦めたか。」

アーサーは剣を取り出す。ただ取り出したのではない。高速で取り出したのだ。ゴーレムの拳はスパッと斬られ、地面に落ちた。

アーサー「氷にはやっぱり火だよね...爆炎剣、これが俺の切り札だ!」

アーサーが取り出した剣は火を纏っていた。

龗神「なるほど、鞘から取り出す時の摩擦熱を利用した技か。」

アーサーは高く飛び上がりゴーレムに向かう。

アーサー「エクスカリバーよ!真の力を示せ!瞬斬、風火の舞!」

アーサーは竜巻のような素早い動きでゴーレムを切り刻んだ。それと同時に剣の火が消えた。

龗神「へぇー、中々やるじゃん。でもその体もだいぶ限界だろう?」

アーサーはグハッと言う声と、ともに口から血を吹き出した。

龗神「もういいよ。君はよく頑張った。僕が楽にしてあげる。」

いつの間にか龗神の手元には白銀の剣が握られていた。

アーサーは地面に倒れ込んだ。虚ろな目をしてか細くスースーという息をしている。

龗神はゆっくり歩きアーサーに近づく。トンっと剣をアーサーの首元に剣を置きアーサーを首を切り落とした。

龗神「さてこれで終わりか。というかシモ・ヘイヘ君はどうしたんだ。全然弾丸も飛んでこないし。」

そこに刀を持った男が現れた。

?「お、終わったかー。ずーーっと待ってたんだよ?君たちの戦いが終わるの。あ、そうそうこれあげるよ。」

男は丸いものをこちらに投げた。

龗神「...?!」

龗神は息を呑んだ。なぜならその男が投げたものが、シモ・ヘイヘの首だったからだ。

?「いやー面白かったよ。彼は俺を見るとすーぐ怯えた表情になってね。その顔が可愛いのなんのって。手もガクガクだったから俺が恐怖から解放してあげたよ。」

男はニコニコ笑いながら話した。

龗神「貴様!!!」

?「うるさい。」

男は手に持った刀を振った。すると龗神の首は地面に綺麗に落ちていった。

?「俺の名前はヤマトタケル。って死んでるから関係ないか。」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る