第49話ドミニカ1

『緊急!奪還パーティーの一つが全員死亡したと報告が入りました!』


その報告を聞いて私は耳を疑った。


私は自衛隊に所属していて、今回の任務の指令を任されている。


「死因は?」


『おそらくですが、19人が鋭利なナイフ…おそらく包丁によって刺殺されたようです。もうひとりは…』


「もうひとりは何だ!?」


『自殺しています。おそらく持っていた包丁で首を刺して自殺したと思われます。』


「なぜそう思った?」


『包丁を持つ手の力が強かったので、殺された後に持たされたとは思えないからです。

それとおそらくこの19人を殺したのはこの人だと思います。

包丁の刃のあとが一致しています。』


「でもなぜ殺したんだ?動機がないだろ。」


『それはまだよく解っていません今調べているところです。』


「解った。朗報を待っている。」


私は無線を切った。


「はぁーーー」


私は机の上においてあるコーヒーを飲み、大きくため息をつく。


このチームが全滅するのはこれで2軒目。

死因も同じようなものだ。

一人が自殺それ以外がその自殺した人に殺されたであろう状態だった。


そしてその事件が起こった場所は両方とも崩れたダンジョン周辺を担当する師団のパーティーだった。


ダンジョンにもしかして何かあるのか?


気にはなるが部下にそのような命令を出すわけにはいかない。


確証がないのと、これを見る限り、死んでこいと言っているようなものだからだ。


私はテレビのリモコンを手に取り、テレビをつける。



『ダンジョンが崩れたことについて専門家に意見を聞いてみましょう。

和田さんはこのことについてどうお考えですか?』


ダンジョンができたばかりだから専門家もクソもないだろ!

という意見がすごく、すごーくでてくるが、だいたいこういうやつは実際にダンジョンに入らず聞いたことをまとめただけなんだよな…


そういった愚痴が出てくる。


『私はこのダンジョン崩壊、これは人為的に起こしたものだと思います。』

『誰が何のために?』

『誰がかはわかりませんが、おそらくいま中国で起きている無差別殺人事件も何かしら関係があると思います。』


『その事件というのは?』

『急に人が理性を失い、近くにいる人に襲いかかるという事件です。』

『恐ろしい事件ですね?ですがこの事件と何の関係が?』


『私はこう考えます。

何かしらダンジョンの破壊方法を知っている人が、何かしらのスキルで人を操りダンジョンを破壊したのだと思います。

今回の中国の事件もそのようなスキルを持っている人が人を操り、人を襲わせたのだと思います。


私はこれを起こしたのは少し話題になっている空』


『キャーーーー』


テレビから叫び声が聞こえてくる。

アナウンサーが専門家と呼ばれていた人の首を手刀で切り落としたからだ。


『…ァ……ゥ‥ァ…‥』


切り落とした人は何故か苦しんでいて、目が薄っすらと紫がかっている。


アナウンサーの手がじぶんののどをつこうとしているとスタッフの一人が飛び込んで無理矢理その手を止めた。

他のスタッフもその人を無理やり抑える。


【自殺をさせない】それだけに皆が動いていた。


おそらく自称専門家の言っていることが当たっていたのだろう。


そしてそれ以上言わせないために口封じで殺した。


「人がすることじゃない」




_________________

更新が遅れて申し訳ございません。

手をけがして執筆が満足にできませんでした。


(手袋をすればいいと気がついたのは内緒です)


星500もありがとうございました。

別の作品の自宅警備員も星500…感謝しかありません!

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